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低リン血症[私の治療]

No.5104 (2022年02月19日発行) P.40

門川俊明 (慶應義塾大学医学部医学教育統轄センター教授)

登録日: 2022-02-19

最終更新日: 2022-02-15

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  • 低リン血症とは,血清リン濃度が2.5mg/dL以下を言う。症状を起こすような重大な低リン血症(1.0mg/dL未満)は稀である。低リン血症は,細胞のエネルギー代謝の障害と,赤血球の酸素運搬能障害によって,骨格筋の脱力(特に近位筋),心不全,呼吸不全,中枢神経症状(イライラ感,異常感覚,錯乱,痙攣,昏睡),溶血骨粗鬆症,骨軟化症などの症状を起こす。

    ▶診断のポイント

    低リン血症の原因は,①細胞外から細胞内へのリンの移行,②腸管でのリンの吸収低下,③腎臓での再吸収低下,のいずれかである。

    【細胞外から細胞内へのリンの移行】

    インスリン投与(グルコースとともにリンが細胞内に移動する),急性呼吸性アルカローシス(細胞内の解糖系が活性化されてリンが細胞内に移動する),敗血症,カテコラミン過剰,hungry bone syndrome,カルシトニン投与などが原因となる。

    【腸管でのリンの吸収低下】

    腎臓がリン喪失に適切に反応している場合には,尿中リン濃度は20mg/dL以下となり,腸管でのリンの吸収低下が考えられる。すなわち,経口摂取低下,慢性下痢,アルミニウム含有制酸薬服用などである。

    【腎臓での再吸収低下】

    尿中リン濃度が20mg/dL以上の場合は,腎臓から尿中へリン排泄が増加している。血清カルシウム高値であれば,副甲状腺ホルモン(PTH)過剰と判断し,原発性甲状線機能亢進症や,悪性腫瘍によるPTH関連蛋白高値などを考える。低カルシウム血症の場合は,ビタミンD欠乏を考える。

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