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インフルエンザ(小児)[私の治療]

No.5101 (2022年01月29日発行) P.49

馬場一徳 (ばば子どもクリニック院長)

登録日: 2022-01-31

最終更新日: 2022-01-26

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  • A型,B型インフルエンザウイルスによる感染症であり,冬季から春季にかけて流行する。1~4日(平均2日)の潜伏期間の後,急激な38℃以上の発熱と咳・鼻汁などの気道症状,全身倦怠感,筋肉痛,関節痛を伴う。
    小児では中耳炎や肺炎などの合併症を起こすことがある。熱性痙攣や急性脳炎などの神経系合併症にも注意が必要である。
    学校保健安全法により,発症後5日を経過しかつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまでは出席停止期間となる。

    ▶診断のポイント

    上記症状と周囲流行から疑うが,乳幼児では症状が非典型的なこともあり,注意を要する。流行期の痙攣を伴う発熱時は必ず疑う。また,迅速抗原検査は有用であるが,発症当日の感度は低いため,注意を要する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    自然軽快する疾患であり,抗インフルエンザ薬の投与は必須ではない。発症後48時間以内の投与で有症状期間が1日程度短縮するが,嘔気・嘔吐などの副反応もあるため,基礎疾患のない患者に対しては,説明の上,投与を検討する。幼児や呼吸器症状が強い患者には投与する。基礎疾患があり重症化リスクが高い患者に対しては,発症後48時間を過ぎても投与を検討する。

    入院治療では全例抗インフルエンザ薬投与を行う。経口投与が可能であればオセルタミビルリン酸塩,困難な場合はペラミビル水和物の投与を行う。

    抗インフルエンザ薬投与の有無にかかわらず,罹患後異常行動の報告があり,発熱後2日間は異常行動に伴って生じる事故の予防と患者・家族への説明が必要である。

    2018年からバロキサビル マルボキシルが販売されているが,耐性ウイルスおよび家族内伝播の報告があり,積極的な投与を推奨しない。ノイラミニダーゼ阻害薬耐性ウイルスによる感染が疑われる場合には投与を検討する。

    2019年からラニナミビルオクタン酸エステル水和物の懸濁液が販売されているが,乳幼児に対する十分なデータがないこと,エアロゾルによる感染拡大の危険があることから,積極的な投与を推奨しない。

    ワクチン接種による予防が重要である。発症予防効果のほか,学校の欠席日数や入院を減らす効果があるとされている。

    抗インフルエンザ薬の予防投与は,病院内での集団発生や重症化リスクのある患者が曝露を受けた場合にのみ検討する。

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