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財務省の20年間の医療・社会保障改革スタンスの変化をどう判断するか?[深層を読む・真相を解く(114)]

No.5080 (2021年09月04日発行) P.52

二木 立 (日本福祉大学名誉教授)

登録日: 2021-09-01

最終更新日: 2021-08-31

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7月に社会政策学会関東部会は拙著『コロナ危機後の医療・社会保障改革』(2020、勁草書房。以下出版社はすべて勁草書房)の合評会を開催してくれました。同書第1章第1節では「経産省と厚労省の医療・社会保障改革スタンスの3つの違い」を述べていました。
このことに関連して、尾玉剛士氏(獨協大学外国語学部准教授)から以下の質問を受けました。「[最近]財務省の医療改革への関与はすっかり定着したように思われる。この20年間に、著者[二木]は医療改革に関する財務省の姿勢や主張について顕著な変化を観察されておられるのだろうか、もしそうであれば、その潮目はいつ頃になるのであろうか」

私はこの点について、今まで著書で断片的に述べてきましたが、まとめて論文化したことはありません。そこで本稿では、私の今までの著書の記載を整理して、私の認識(の変化)を述べます。併せて、財務省の見解をほぼストレートに反映している財政制度等審議会の2001~2021年の「建議」(近年は春と冬の2回が多い)の社会保障・医療部分の記述の変化を指摘します。最後に、財務省の「ワル」の変わり身の早さ・非情さに注意を喚起します。
結論的に言えば、財務省のスタンス・「潮目」の変化は2005〜2006年頃に生じたと、私は判断します。

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