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難治性過活動膀胱に対する専門的診療について

No.5058 (2021年04月03日発行) P.45

巴 ひかる (東京女子医科大学東医療センター 骨盤底機能再建診療部 泌尿器科教授)

柿崎秀宏 (旭川医科大学腎泌尿器外科教授)

登録日: 2021-04-02

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  • 過活動膀胱の初期診療はかかりつけ医でも行われますが,薬物療法で効果不十分として専門医に紹介された症例では,飲水コントロールなどの行動療法が行われていないことも多く,その見直しが必要となります。また薬物療法においても専門医による治療薬の選択や用量調節,適切な併用療法が功を奏することもあります。難治性過活動膀胱に対する専門的な診療法についてご教示下さい。
    旭川医科大学・柿崎秀宏先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    巴 ひかる 東京女子医科大学東医療センター 骨盤底機能再建診療部 泌尿器科教授


    【回答】

     【ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法と仙骨神経電気刺激療法がある】

    2015年に刊行された「過活動膀胱診療ガイドライン第2版」によれば,難治性過活動膀胱は,「一次治療である行動療法および各種抗コリン薬(経口薬,貼付薬)やβ3作動薬を含む薬物療法を単独ないしは併用療法として,少なくとも12週間の継続治療を行っても抵抗性である場合」と定義されています。難治性過活動膀胱に対する専門的治療として,ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法と仙骨神経電気刺激療法があります。

    (1)ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法

    ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法は,A型ボツリヌス毒素製剤(ボトックス®)を膀胱鏡下に膀胱筋層内(20~30箇所)に直接注射する治療法です。注射は10~20分ほどで終了し,局所麻酔下に外来でも治療が可能です。効果は通常,治療後2~3日で発現し,4~8カ月持続します。効果が消失してきたら,繰り返し治療を行うことが可能です。

    治療に伴う有害事象として,排尿困難が9%,尿路感染が5%程度で認められます。また,導尿を必要とするような尿閉が5%程度の頻度で認められるため,治療前に起こりうる有害事象について十分に説明しておく必要があります。万一,尿閉が発生しても一過性で,時間経過とともに自排尿が回復します。

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