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コロナ禍で深まる高齢者と若者の孤立を防ぐには?(藤原佳典 東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム研究部長)【この人に聞きたい】

No.5057 (2021年03月27日発行) P.6

藤原佳典 (東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム研究部長)

登録日: 2021-03-22

最終更新日: 2021-03-22

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既存の施策と連動した孤独・孤立対策推進を
異世代間の交流と地域の居場所、活躍の場作りが
若者と高齢者の心の健康を保つ

ふじわら よしのり:1993年北海道大学医学部卒。2000年京都大院医学研究科博士課程修了。同大学病院老年科などを経て11年より現職。東京都介護予防フレイル予防推進支援センター長併任。日本世代間交流学会副会長、内閣府高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会委員などを歴任。

政府が2月、新型コロナウイルス禍で深刻化する孤独・孤立問題の対策室を内閣官房に新設した。コロナ禍で幅広い世代に広がる孤独・孤立にどう対処すべきなのか。東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チーム研究部長の藤原佳典氏に聞いた。

高齢者は孤立と閉じこもりで死亡率2倍に

─社会的孤立が死亡リスクを上げるのはなぜですか。

私たちの研究グループは以前、日常生活に問題がなく健康な65歳以上の高齢者1023人を対象に、社会的孤立と閉じこもり傾向の影響を調査しました。その結果、社会的孤立と閉じこもり傾向が重積している高齢者は、どちらも該当しない人たちに比べて、6年後の死亡率が2.2倍に高まりました。この研究では、同居家族以外との対面・非対面(電話やメールなど)のコミュニケーション頻度が合計週1回未満の人を「社会的孤立」。買い物、散歩、通院など外出頻度が1日1回未満の人を「閉じこもり傾向」と定義しました。

高齢者の場合、孤立に伴うコミュニケーションの欠如と、閉じこもり傾向に伴う身体・認知・精神的不活動はフレイルの原因にもなり、相乗的に健康状態に悪影響を及ぼします。

ただし、コロナ禍で女性や若者の自殺が増えている背景には、貧困、失業、家族との不和、リモート授業が続いていて大学へ行けないなど、様々な社会的要因があります。女性や若者の自殺は単に、孤独・孤立をなくせば減るというものではなく、高齢者の対策とは分けて考える必要があると思います。

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