株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

高齢者の急性骨髄性白血病(AML)の治療をどうするか

No.5052 (2021年02月20日発行) P.44

宮川義隆 (埼玉医科大学病院総合診療内科(血液)教授)

矢野尊啓 (東京医療センター血液内科医長)

登録日: 2021-02-22

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 高齢者の急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)の治療は,若い患者と比べて難しいことが多いです。最近,米国血液学会(American Society of Hematology:ASH)から,高齢者AMLのガイドラインが初めて発表されました。
    体力の落ちた高齢者に対して推奨される治療と,終末期に輸血をいつまで続けるかについて,このガイドラインの解説を東京医療センター・矢野尊啓先生にお願いします。

    【質問者】

    宮川義隆 埼玉医科大学病院総合診療内科(血液)教授


    【回答】

     【抗白血病化学療法を中心とし赤血球輸血で支持する】

    2020年8月,ASHは新しい初発高齢者AMLの治療ガイドラインを出しました1)。AMLはわが国でも高齢者ほど頻度が高い疾患であり,ガイドラインが策定されています2)。ASHが高齢AML患者に対して推奨するのは次の6つです。

    ①抗白血病化学療法が施行可能であれば,支持療法のみでなく,化学療法を行うことを推奨する(中等度のエビデンス)。

    ②強力な抗白血病化学療法は,治療強度の低い化学療法よりも推奨される(弱いエビデンス)。

    ③少なくとも1サイクルの強力な抗白血病化学療法で寛解に到達したが,造血幹細胞移植の適応とならない患者では,無治療で経過を見るよりも寛解後治療を施行することを推奨する(弱いエビデンス)。

    ④抗白血病化学療法の適応はあるが,強力な多剤併用療法が施行できない患者には,アザシチジンなどの脱メチル化薬または低用量シタラビン(Ara-C)(low-dose cytarabine:LDAC)による治療を行うことを推奨する(中等度のエビデンス)。現時点では上記のいずれかの薬剤による治療を単独で行うことを推奨するが,近い将来,一部の本邦未承認の新規分子標的薬との併用も推奨される可能性がある。

    ⑤治療強度の低い化学療法で効果を認める患者では,疾患が進行するか患者が治療不耐容となるまでその治療を継続することを推奨する(弱いエビデンス)。

    ⑥積極的な抗白血病化学療法を施行しない患者には,赤血球輸血は患者のQOL維持に貢献するため,継続して行うことを推奨する(弱いエビデンス)。血小板輸血は,一部の出血性イベントにおける有益性を認めるものの,特に白血病患者の終末期医療においてはほとんど意味をなさない。

    残り696文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    page top