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毛包炎,癤(せつ)・癰(よう)[私の治療]

No.5052 (2021年02月20日発行) P.39

山本有紀 (和歌山県立医科大学病院教授/医学部皮膚科准教授)

登録日: 2021-02-21

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  • 毛包炎:毛包を中心に生じる炎症。
    癤:毛包炎が進行して生じた皮膚感染症。
    癰:癤が進行し,複数の毛包に拡大した皮膚感染症。

    ▶診断のポイント

    毛包炎:毛包に一致した紅斑や膿疱。
    癤:毛包周囲にも紅斑や圧痛,自発痛,熱感を持つが,全身症状はない。中央が自壊していることもある。
    癰:複数の毛包炎が結合されたような,半球状に隆起した発赤を伴う硬結。発熱などの全身症状を伴うことがある。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    【毛包炎】

    軽度の毛包炎は局所の清潔のみでも治癒する。基本的には局所の清潔+外用抗菌薬である。多発する場合や,糖尿病やステロイド外用などの既往がある場合は,黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌に感受性のある内服抗菌薬を短期間追加する。なお,多くは細菌感染症であるが,嫌気性菌であるPropionibacterium acnesが原因の尋常性痤瘡や,マラセチア菌が原因であるマラセチア毛包炎との鑑別を要する。

    【癤・癰】

    皮膚感染症を考え,糖尿病や免疫不全状態などの基礎疾患の有無を確認する。治療方針の基本は,内服抗菌薬であるが,拍動を触知するものは局所麻酔下での切開が疼痛緩和に役立つ。なお,細菌培養は必ず行う。糖尿病や免疫不全状態(HIV感染症,化学療法中など)の患者では急速に悪化することもあるので,黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌に感受性の高い新世代経口セフェム系薬,ペネム系薬,ニューキノロン系薬を選択する。なお,項部や背部に発症する巨大な癰は,コントロール不良の糖尿病の間接デルマドロームのことがあり,注意を要する1)

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