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【識者の眼】「病院総合診療の16年前と現在」塩尻俊明

No.5051 (2021年02月13日発行) P.65

塩尻俊明 (地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2021-01-13

最終更新日: 2021-01-13

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16年前に福井次矢先生が述べられた病院総合診療の型として、振り分け外来型(図a)、総合診療の理想型(図b)があります。当時は、あるべき姿を求め、もがきながら当院で病院総合診療を立ちあげた頃でした。図cのようなイメージでほそぼそと始め、臓器専門科からは「総診って機能しているの」と言われていました。現在は理想型とは程遠いですが、図dの型で、すべては無理ですが平日新患外来、24時間対応の救急診療、病棟は単独科として70床を保有し、マルチモビディティ(多疾患併存状態)な患者や各臓器専門科の一部の疾患も担当しています。未だ「ビルの谷間のラーメン屋」的ですが、少しずつ守備範囲を増やしてきました。臓器専門別が主である基幹病院の中で総合診療を立ちあげ、継続していくには、臓器専門科と総合診療の双方の守備範囲の透明性と人間関係が円滑であること、そして何より総合診療側の「経験の乏しい理論のみの独り相撲」にならないための修練と実績が重要だと思います。

塩尻俊明(地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院総合診療内科部長)[総合診療]

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