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前立腺癌に対する抗がん化学療法の現況

No.5046 (2021年01月09日発行) P.49

小坂威雄  (慶應義塾大学泌尿器科講師)

登録日: 2021-01-07

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【カバジタキセルの有用性を確認。実臨床での使用が期待される】

前立腺癌はアンドロゲン(男性ホルモン)に依存して増殖するので,限局がんに対する手術療法・放射線療法後の再発症例や,初期発見時の有転移症例ではアンドロゲン遮断療法(ホルモン療法)が選択される。ホルモン療法は開始当初は有効だが,多くの場合いずれ効かなくなってしまう。

近年の研究からホルモン療法耐性がんは,副腎や前立腺癌そのものから分泌される去勢レベルの微量のホルモンに,なおも依存して増殖するがん,ということから去勢抵抗性前立腺癌(castration resistant prostate cancer:CRPC)と呼ばれる。CRPCの治療は,アンドロゲンをより強く遮断する経口薬エンザルタミドとアビラテロン以外に,静注抗がん化学療法薬としてタキサン系のドセタキセルとカバジタキセルが選択される。

カバジタキセルはドセタキセル耐性CRPCに対して承認された二次化学療法である。日本人で特に発現率の高い有害事象として,25mg/m2のわが国の承認用量でのグレード3以上の重度な好中球減少症と発熱性好中球減少症(FN)に対する注意が必要で,G-CSFの一次予防投与の重要性が指摘されてきた。持続型G-CSF製剤ペグフィルグラスチムによるFNの予防が,わが国で市販後の第4相試験として検証された。FNは約10%未満に抑制され一次予防投与の有用性が示されたことから,より安全性を考慮したカバジタキセルの実臨床での使用が可能となることが期待される。ドセタキセルによる脱毛,末梢神経障害などの有害事象は投与中止の要因にもなりうるが,カバジタキセルでは発現率が低く,QOLを保ちながら安全に長期投与が可能となってきている。

【解説】

小坂威雄 慶應義塾大学泌尿器科講師

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