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■NEWS 感染症への備え、地域医療構想WGでも議論がスタート―厚労省

No.5037 (2020年11月07日発行) P.68

登録日: 2020-10-26

最終更新日: 2020-10-26

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厚生労働省の「地域医療構想に関するワーキンググループ(WG)」は1021日開かれ、新興・再興感染症への対応を踏まえた地域医療構想のあり方について、議論を開始した。感染症の発生時に入院を要する患者が感染症病床の整備数を上回った場合、一般病床にある程度余裕がなければ受け入れ先が不足する恐れがある。そのため、WGの議論では、将来の医療需要を見据えて病床の機能分化と連携を進める地域医療構想と、感染症への備えをどのように両立させるかが、大きな焦点となる見通しだ。

厚労省はWGに、①感染症拡大時の受入体制確保のあり方、②公立・公的医療機関等に対する「具体的対応方針の再検証」などの取り組みへの影響、③今後の人口構造の変化を踏まえ、どのような工程で議論・取り組みを進めるか―の3項目を論点として示した。

感染症患者の受入体制確保には、病床・スペースや医療機器、必要な資質を備えた人材の確保と並行して、救急医療や手術など一般的な医療の提供が滞ることがないよう、地域の医療機関間で役割分担・連携を予め決めておく必要がある。こうした観点から①では、新興・再興感染症に対する平時からの備えについて、地域医療構想の推進にあたってどのような対応や留意が求められるかを検証する。

②では、厚労省が改めて示すとしていた、公立・公的医療機関などの具体的対応方針の再検証期限について議論。③は、「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太方針2020)の提言を受けたもので、人口構造の変化に伴う医療ニーズの減少と、新型コロナを含む新興・再興感染症の双方に対応できる医療提供体制の再構築に向け、具体的な工程表の作成を目指す。

■具体的対応方針の再検証、期限の設定を巡り意見が割れる

感染症への備えに対する医療計画や地域医療構想での位置づけについては、厚生科学審議会感染症部会における予防計画(感染症に対する医療提供体制などを規定)に関する議論が一定の方向性を打ち出すのを待って、本格的な検討に入る予定。この日の議論で、幸野庄司構成員(健康保険組合連合会理事)は、具体的対応方針の再検証の期限を早期に設定するよう要請。これに対して医療関係者を中心とした複数の構成員が、新型コロナが終息するまで待つべきだと反対姿勢を示した。

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