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カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症[私の治療]

登録日: 2020.10.17 最終更新日: 2026.02.21

山岸由佳 (愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授(特任)) 三鴨廣繁 (愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)

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カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(carbapenem-resistant Enterobacteriaceae:CRE)感染症は,カルバペネムに非感性の腸内細菌科細菌による感染症である。菌血症や尿路感染症,肺炎,肝胆道系感染症などの原因となりうる。臨床症状は発熱のほか,それぞれの感染病態ごとに様々な症状が認められる。菌種は多くがEscherichia coli,Klebsiella pneumoniaeであるが,Enterobacter属やその他の細菌でもみられる。
カルバペネムを分解可能な酵素であるカルバペネマーゼを産生するCREは,カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(carbapenemase-producig Enterobacteriaceae:CPE)と呼ばれ,世界的には,KPC(Klebsiella pneumoniae carbapenemase)型,NDM(New Delhi metallo-β-lactamase)型,OXA(oxacillinase)-48-like型が多い。日本ではIMP(imipenemase)型が多く分離され,KPC型,NDM型,OXA-48-like型は少なく,そのほとんどが海外からの持ち込み例である。またCREの中では,これらカルバペネマーゼ産生株以外にも,しばしば基質拡張型β-ラクタマーゼ(extended spectrum β-lactamase:ESBL)産生をコードする遺伝子やAmpC型β-ラクタマーゼ過剰産生をコードする遺伝子も同時に陽性の株や,ポーリンの欠損の併存による最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration:MIC)値の上昇株も報告されている。

▶診断のポイント

感染症法の定義では,メロペネムのMIC値が2μg/mL以上,もしくはイミペネムのMIC値が2μg/mL以上かつセフメタゾールのMIC値が64μg/mL以上の腸内細菌科細菌である。この定義ではCPEのほかに,AmpC型β-ラクタマーゼ過剰産生+外膜の透過性低下による耐性機構なども該当するため,CREか否かの鑑別には遺伝子学的検査などによる精査が必要である。

カルバペネマーゼ産生が疑われる場合には,CarbaNP test,modified carbapenem inactivation methods(mCIM)や,市販の選択培地でスクリーニングをする。メタロ-β-ラクタマーゼが疑われる場合には,SMA(メルカプト酢酸ナトリウム)ディスク法,シカベータ法,カルバペネマーゼ鑑別ディスクplusなどを用いる。メロペネムのMIC値が2μg/mL未満の株の一部についても,カルバペネマーゼ産生菌が認められることがあるため,メロペネムのMIC値が0.25μg/mL以上の株については検査を行うことが望ましい1)


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