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眼窩骨折 [私の治療]

No.5030 (2020年09月19日発行) P.44

恩田秀寿 (昭和大学医学部眼科学講座主任教授)

登録日: 2020-09-21

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  • 「眼球に作用した鈍的外力は,眼窩壁に骨折を生じさせると同時に副鼻腔に吹き抜け,結果的に眼球が守られる」,いわゆる「眼窩吹き抜け骨折(blowout fracture:BOF)」という力学的概念を提唱したのがSmithとReganである。一方,眼窩縁を含む前頬部への直達外力によって生じた眼窩の骨折は眼窩吹き抜け骨折とは異なったものであり,多くは頰骨骨折や上顎骨骨折を合併する。骨折発症のメカニズムから,この2つを区別することは重要である。

    ▶診断のポイント

    眼打撲の既往:骨折の発症には相当の力学的エネルギーが必要である。そのエネルギーを生じる受傷機転かどうかを判断する。たとえば,スポーツ時の骨折であれば,野球ボールや空手・ボクシングのパンチによるものや,格闘技による身体の一部が当たった場合に生じる。不慮の事故では転倒時の眼打撲で生じる。

    骨折のタイプ別の症状:骨折のタイプには閉鎖型(trap-door type)と開放型(bone defect type)がある。閉鎖型では,受傷直後から嘔気・嘔吐,眼球運動時痛,複視を顕著に認める。一方開放型では,受傷時には嘔気,複視は軽度で,数カ月経過すると複視,眼球陥凹が著明になる。両タイプに共通した症状には鼻出血,前頬部知覚障害がある。

    眼窩CT検査:CTは骨条件,軟部組織条件での水平断,冠状断,矢状断を撮影する。矢状断は視神経に水平な断面で画像構築する。骨折がはっきりしない場合には,MRIで脂肪脱出の有無を確認するとよい。

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