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【識者の眼】「総合診療医のサブスペシャルティとは?」塩尻俊明

No.5011 (2020年05月09日発行) P.29

塩尻俊明 (地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2020-05-07

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総合診療はひとつの専門領域であることは間違いなく、その自負をもって日々診療にあたっている。一方で新専門医制度が始まり、基本領域研修後のサブスペシャルティ領域をどう整備していくかが議論になっている。ここで基本領域である「総合診療領域のサブスペシャルティとは」、という問題が提議される。

一般的な診療科におけるサブスペシャルティは、例えば、内科は循環器や消化器といったように、より選択された内科領域の専門性を高める位置づけと思われる。一方、総合診療領域では、その範囲を狭めるという考え方はそぐわない。総合診療医プログラム修了時点で習得した能力を起点に、その専門性をより高め成長するオプションが、いわゆるサブスペシャルティに相当するように思う。それが家庭医の専門性を高めるものであれば、現在日本プライマリ・ケア連合学会がつくる「新・家庭医療専門医制度」であり、病院総合医の専門性を高めるものであれば、日本病院総合診療医学会が準備する「病院総合診療専門医制度」になるのであろう。また、横断的領域であれば総合診療の資質・能力を成長させることができると思われる。診療領域としては緩和ケア、在宅医療、感染症などのフェローシッププログラムが相当すると思う。さらに社会人大学院としての医学教育、臨床研究なども選択肢に上がる。

このように徐々にではあるが、総合診療医のキャリアプランが明確化されつつあり、先輩医師たちは未来の総合診療の担い手のために努力していることは間違いない。時間はかかるかもしれないが、ある意味楽しみであり、これからの総合診療医はうらやましい。総合診療医を目指す若手医師のために、より良いプログラムが整備されることを待ちたい。

塩尻俊明(地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院総合診療内科部長)[総合診療]

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