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胆囊ポリープ・胆囊腺筋腫症[私の治療]

No.5006 (2020年04月04日発行) P.44

潟沼朗生 (手稲渓仁会病院消化器病センターセンター長)

石井達也 (手稲渓仁会病院消化器内科医長)

登録日: 2020-04-05

最終更新日: 2020-03-31

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  • 胆囊ポリープは,胆囊内腔に隆起する2cm以下の病変の総称であり,多くは経過観察可能なコレステロールポリープであるが,がん・腺腫の鑑別が必要である。胆囊腺筋腫症(adenomyomatosis:ADM)とは,胆囊壁の一種の憩室であるRokitansky-Aschoff sinus(RAS)の増殖および胆囊壁の肥厚を伴う疾患である。病変の局在により,底部型,分節型,びまん型に分類される。がんとの鑑別ならびにその合併に注意する必要がある。

    ▶診断のポイント

    【症状】

    胆囊ポリープ・ADMはほとんど無症状であるため,検診などの腹部超音波検査(US)で偶然発見されることが多い。胆石を合併することがあり,右季肋部痛といった胆囊炎症状が出現することがある。

    【胆囊ポリープの組織学的分類】

    ①早期胆囊癌:組織学的深達度が粘膜内または固有筋層内にとどまるがん。

    ②腺腫:比較的稀な(胆囊切除例の0.3~0.5%)上皮性良性腫瘍。がんを合併することもある(腺腫内癌)。

    ③過形成ポリープ:胆囊粘膜上皮の過形成により形成されるポリープ。胆囊ポリープの7%程度。胆囊結石を合併する例が多い。特徴的な画像所見に乏しく,術前の鑑別は困難。

    ④コレステロールポリープ:コレステロールエステルが胆囊壁に沈着し隆起する。縮小や消失することがある。

    ⑤炎症性ポリープ,線維性ポリープ,肉芽性ポリープ:良性隆起性病変のうちの偽腫瘍に分類される。頻度は0.8~6%と稀。背景として胆石や慢性胆囊炎を有する場合が多い。特徴的な画像所見に乏しく,術前の鑑別は困難。

    【検査所見】

    胆囊病変に対する画像診断としては,US,CT,MRI/MRCP,超音波内視鏡(EUS),ERCPなどがあるが,特に超音波画像検査が優れており,病変の拾い上げにはUS,質的診断にはEUSが有用である。

    〈US〉

    簡便かつ低侵襲な検査法であり,検査の第一選択。胆石との鑑別に体位変換での可動性評価が有用である。

    コレステロールポリープ:顆粒状・桑実状の高輝度点状エコー,有茎性,10mm以下で多発。

    過形成ポリープ・炎症性ポリープ:ほとんどが5mm以下,無茎性,多発する。

    線維性ポリープ:内部エコーは低めで表面を被う薄い縁取り様エコー(high echo line)がみられる。

    腺腫・早期癌:表面平滑~結節状で,茎は太く,内部エコーは等エコーで均一。広基性ではがんの可能性を考える。

    ADM:胆囊壁の肥厚とその内部に小囊胞。壁内結石がコメット様エコーを呈する。

    〈EUS〉

    胆囊病変の微細構造を詳細に評価できる。桑実状高エコーと小球状高エコーはコレステロールポリープ,乳頭状高エコーはコレステロールポリープ,過形成ポリープ,腺腫の可能性があるが,乳頭状実質エコーではこれらに加えて胆囊癌の可能性があり鑑別が困難。結節状実質エコーで無エコー域を伴うものはADM,無エコー域がないものは胆囊癌が多い。

    〈ドプラエコー・造影エコー〉

    ドプラではがんは拍動性シグナルを認める。造影エコーで不整血管像,perfusion defectが悪性ポリープの所見であり,造影剤分布の不均一が悪性壁肥厚を疑う所見とされている。

    〈CT〉

    小病変の描出は困難であるが,石灰化の描出に優れ,ADMの微小な壁在結石の評価に有用。造影CTでは胆囊癌や腺腫は早期から肝実質と同等もしくはそれ以上に造影され,非腫瘍性ポリープは造影効果が弱いとされる。

    〈MRI/MRCP〉

    RASの描出や,膵胆管合流異常の評価に有用。胆囊癌は肝実質に比べてT1強調像では低信号,T2強調像では高信号を呈し,dynamic MRIでは早期濃染が後期まで持続するとされ,拡散強調画像では拡散の低下を認め高信号を呈する。

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