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【識者の眼】「保険点数改定は、疾患縛りを撤廃することから」黒木春郎

No.5000 (2020年02月22日発行) P.35

黒木春郎 (外房こどもクリニック理事長、日本遠隔医療学会オンライン診療分科会会長)

登録日: 2020-02-22

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2020年1月末、中医協ではいわゆる「短冊」(個別改定項目)が出され、オンライン診療を巡る保険点数の攻防も最終局面を迎えている。

これまでの経過をたどると、2018年春の診療報酬改定で初めて「オンライン診療料」と「オンライン医学管理料」が保険収載された。しかしながら、その点数算定には細かい「縛り」が多項目にわたって課せられており、実際にオンライン診療をそれまで行ってきた医療機関でも算定できないところがほとんどであり、ましてや、新規に保険診療でオンライン診療を導入しようという医療機関は滅多に見られなくなってしまった。我々にとって歓迎すべきオンライン診療の点数だったはずが、大変困った状況となった。

私は、2018年4月から2020年1月まで、「オンライン診療研究会」という任意団体を立ち上げて、診療の現場からの提言活動を行ってきた。2019年7月28日には「令和2年度診療報酬改定におけるオンライン診療の取り扱いに関する提案」を公開研究会の場で採択し、関係機関へ送付した。その内容は、オンライン診療料は基本診療料として捉えるべきであり、医学管理料との関連で制限をかけるべきものではない、初診料、再診料、入院料に対象疾患の規定はないように、第4の診療形態たるオンライン診療に点数をつける際にも疾患名による制限はそもそも不要である、という主張である。

これは実際にオンライン診療に取り組んでいる臨床医の実感であり、現場からの提言であるが、それが制度に実現されていくには学会によるエビデンスの積み上げが必要であるとの反応を多数、受け取った。それには、オンライン診療が実際に行われることが必要だ。保険診療できわめてやりにくい形に定めれば、事例は出ない。まず、疾患縛りを撤廃すること、そこからエビデンスをベースとした議論が始まる。

黒木春郎(外房こどもクリニック理事長、日本遠隔医療学会オンライン診療分科会会長)[オンライン診療]

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