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肝癌治療における経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)と肝切除の棲みわけについて

No.4999 (2020年02月15日発行) P.52

進藤潤一 (虎の門病院消化器外科(肝・胆・膵))

建石良介 (東京大学大学院医学系研究科 がんプロフェッショナル養成プラン・ 消化器内科学特任講師)

登録日: 2020-02-12

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  • 近年の観察研究やSURF trialでは,小肝癌に対する切除と経皮的ラジオ波焼灼術(radiofrequency ablation:RFA)の成績には大差ないことが報告されています。肝癌の実臨床におけるRFAと肝切除の棲みわけについて,肝臓内科の立場から東京大学・建石良介先生のご教示をお願いします。

    【質問者】

    進藤潤一 虎の門病院消化器外科(肝・胆・膵)


    【回答】

    【3cm以下で肝機能不良例はRFAが第一選択,肝機能良好例の一部は,肝切除が優先される】

    肝切除とRFAを比較した無作為化比較試験(SURF trial)においては,「肝切除はRFAに比較して局所根治性に優れている」という前提のもとに,「局所根治性の優越は,無再発生存率の優越につながり」,結果「全生存率の優越につながる」という仮説を検討すべくプロトコルが作成されました。今回のSURF trialの結果は,ある条件下での肝切除とRFAの無再発生存率の差は,あるとしても非常に小さいということを示しています。全生存率については,結果が出るまであと2年待たなければいけませんが,過去の経験からは肝予備能維持の点ではRFAに優越性があることが示唆されていますので,肝予備能がChild-Pugh Bの症例などでは,RFA施行可能症例ではRFAが第一に推奨されるようになるでしょう。

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