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膀胱尿管逆流[私の治療]

登録日: 2020.02.10 最終更新日: 2026.02.21

佐藤裕之 (都立小児総合医療センター泌尿器科・臓器移植科医長)

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膀胱尿管逆流(vesicoureteral reflux:VUR)は,膀胱尿管接合部の先天性構造異常に伴う原発性と,尿道・膀胱機能異常などで生じる二次性のものが存在する。尿路感染がコントロールできない場合,手術的治療を考慮すべきである。

▶診断のポイント

排尿時膀胱造影を行い,国際分類による逆流症のGradeを確認する。その際に,尿道異常や排尿機能異常を認めないことを併せて確認し,二次性のものを除外する。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

多くの症例が尿路感染を契機に診断されるため,1歳未満の乳児ではVURの程度にかかわらず予防的抗菌療法を行い,自然改善を期待する。1歳以降では軽度VURは予防的抗菌療法,もしくはそのまま経過観察を行い,Ⅲ度以上の高度VURでは予防的抗菌療法を行う。①予防的抗菌療法を行っても尿路感染を起こす場合,が手術の絶対適応であり,②Grade ⅤVUR,③腎機能低下例(発見時・観察期間中),④予防的抗菌療法対象年齢以上の尿路感染症例,予防的抗菌療法を継続しても改善が認められない例,⑤尿路感染を起こしやすい下部尿路機能異常を伴う高度VUR症例,であるが,近年は,⑥耐性菌による尿路感染(urinary tract infection:UTI)を起こした症例も手術適応と考え,手術を行っている。

予防的抗菌療法の基本はスルファメトキサゾール/トリメトプリム(ST)合剤であり,トリメトプリム1~3mg/kg 1回投与を行っている。セフェム系,ペニシリン系の抗菌薬も使用される。セフェム系では通常量の1/6~1/3量,ペニシリン系では1/3量を用いている。

5歳以上のVUR患児で尿失禁・頻尿などの下部尿路機能異常とともに便秘・便失禁などの腹部腸管異常所見を伴う場合,bladder bowel dysfunction(BBD)として扱い,下部尿路機能異常に対する治療とともに排便管理も行う。

手術治療は開放手術を基本として,膀胱容量が250mL以上(4歳相当)ある場合,気膀胱下手術も考慮している。Grade Ⅱ~ⅢのVURに関してはデフラックス®注入療法も考慮される。開放手術術式としてはPolitano-Leadbetter法,Cohen法,Lich-Gregoir法があり(図),膀胱・尿管の状態,膀胱機能により使いわけることも考慮される。


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