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耳垢栓塞[私の治療]

No.4995 (2020年01月18日発行) P.51

中条恭子 (聖路加国際病院耳鼻咽喉科部長)

登録日: 2020-01-15

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  • 耳垢栓塞は外耳道に耳垢が固く貯まってしまい排出できなくなった状態である。外耳道皮膚は内側2/3を骨部,外側1/3を軟骨部とにわかれており,軟骨部外耳道には皮脂腺,耳垢腺が存在する。耳垢は角化性老廃物と皮脂腺,耳垢腺からの分泌物で形成されている。
    耳垢の性状には乾性耳垢と湿性耳垢があり,常染色体遺伝で決定される。遺伝形式は湿性耳垢が優性で乾性耳垢が劣性である。人種的な差があり,欧米人に湿性が多く,日本人は乾性耳垢が約8割を占める。
    耳垢栓塞は生理的な耳垢が外耳に停滞することもあるが,ほとんどは外耳道の炎症や耳掃除などの機械的刺激による皮膚の自浄作用の低下,さらに単純に耳掃除の綿棒による耳垢の押し込みが成因として考えられる。

    ▶診断のポイント

    外耳道は屈曲があるため,耳介を後上方に引き上げて外耳道を観察する。子どもは外耳道が大人に比べて短く,屈曲も少なく鼓膜が浅い位置にあるので,注意を要する。中には,耳垢にみえる外耳道異物や中耳炎に伴う分泌物が耳垢様に充満していることもあり,処置用顕微鏡を用いて診断,処置を行うことが望ましい。

    耳垢の症状としては無症状がほとんどであるが,耳の違和感やかゆみ,痛みを伴うこともある。また,突然の難聴で受診される例もある。外耳道が完全に閉塞すると約40dBの難聴を生じる。

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