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診断の決め手を欠くパーキンソニズム患者の診療方法

No.4992 (2019年12月28日発行) P.60

吉村 元 (神戸市立医療センター中央市民病院脳神経内科医長)

藤本健一 (自治医大ステーション・ブレインクリニック)

登録日: 2019-12-28

最終更新日: 2019-12-23

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  • パーキンソニズムを認める患者で,ドパミン製剤に対する反応性がいまひとつはっきりせず,頭部MRIやmetaiodobenzylguanidine(MIBG)心筋シンチグラフィでも明確な異常を認めない場合,以後どのように診療していくのが適切でしょうか。外来の限られた時間内でのドパミン製剤の効果判定の仕方(最大使用用量やどのような症状に着目して効果判定するかなど)を含めてご教示下さい。自治医大ステーション・ブレインクリニック・藤本健一先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    吉村 元 神戸市立医療センター中央市民病院脳神経内科医長


    【回答】

    【そのお薬「旬」ですか? 効く薬は使う,効かない薬は使わない】

    ドパミン製剤が効かないのは,診断が間違っている,薬が脳に到達していない,効果判定に問題がある,のいずれかが原因です。

    薬効の判定では,医師と患者の評価が食い違うことがあります。たとえば振戦は薬が効きにくい症状のひとつです。パーキンソン病の震えは動作時には止まることが多く,日常生活の支障にならないため,医師はあまり重要視しません。ところが,患者の中には他人の目を気にする人もいます。震えが止まらないと薬効がないと判断するかもしれません。患者にはあらかじめ,筋強剛や動作緩慢など薬が効きやすい症状に注目して効果を判定するよう伝えましょう。

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