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包茎・亀頭包皮炎[私の治療]

No.4971 (2019年08月03日発行) P.50

宮北英司 (東海大学医学部付属大磯病院泌尿器科教授・副院長)

登録日: 2019-08-02

最終更新日: 2019-07-30

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  • Ⅰ.包茎

    包茎(phimosis)の定義は包皮口の狭窄,すなわち包皮輪が狭いことであり,亀頭を露出させることのできない状態が真性包茎(true phimosis)である。一方,仮性包茎(false phimosis)は包皮口の狭窄がなく,用手的に亀頭の露出は可能であるが,包皮が過剰であるために亀頭が露出していない状態と定義される。

    【包皮の自然史】

    発生学的に元来,包皮と亀頭とは癒合しており,生下時に包茎状態であることは正常であり,包皮を翻転できないのが通常である。新生児期に亀頭が露出できるものは4%にすぎないと言われている。6カ月で0%が,11~15歳では62.9%で包皮翻転が可能となり,いわゆる徳利型が持続するものはない。新生児期には0.4%,3歳で38.4%が包皮翻転可能とされる。

    ▶診断のポイント

    視診,触診で容易に診断できるが,包皮の癒着口のために真性包茎と診断されたものが,用手剝離で剝離できるため仮性包茎であることがある。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    【環状切除術が行われる医学的理由】
    〈小児期尿路感染予防〉

    包茎による尿の通過障害や包皮内の尿により病原菌が包皮内で感染源となり,亀頭包皮炎や尿路感染症を引き起こすと言われている。

    〈ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)感染症予防〉

    淋菌性尿道炎,梅毒,トリコモナスなどの性感染症の予防に環状切除術は関連性がないとされるが,HIV感染に対しては,HIV-receptorが包皮内板に豊富に認められるランゲルハンス細胞であることから,HIV罹患率の高い国では予防的に環状切除術が勧められている。

    〈陰茎癌,子宮頸癌の予防〉

    陰茎癌患者の25~75%は包茎状態であることより,包茎と陰茎癌の関連は強いと考えられ,環状切除術が陰茎癌の発生を予防する治療法であると言える。子宮頸癌に関しては,包茎あるいは腟内の清潔環境の問題であるととらえるのが一般的である。

    〈性機能,性感向上の目的〉

    環状切除術の有無が性機能に及ぼす影響はなかったとされている。

    治療の一手目は環状切除術以外の治療である。

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