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■NEWS 人生の最終段階ではない患者の透析見合わせの意思決定プロセスを検討―透析医学会

No.4968 (2019年07月13日発行) P.67

登録日: 2019-07-03

最終更新日: 2019-07-03

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日本透析医学会は628日の学術集会において、公立福生病院(東京都福生市)で透析終了を選んだ44歳の女性患者が死亡した事案に関する緊急企画を開催し、人生の最終段階ではない患者が透析見合わせを申し出た場合の意思決定プロセスについて検討していることを報告した。

人生の最終段階の考え方について同学会は、「透析を行っている患者は人生の最終段階に含まない」との見解を提示している。これは、透析療法を行うことで多くの患者が社会で活躍し、長期生存も望めるため。

一方、14年には、厚生労働省と日本医師会の公的見解に準じた「人生の最終段階の患者」を対象に、透析中止の決定プロセスを盛り込んだ『維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言』を公表している。これについて同学会は3月、提言公表後の社会情勢の変化や今回の事案の検討を踏まえ、人生の最終段階ではない患者への対応や人生会議、協働意思決定などの観点を追加した新提言を203月末までに作成する方針を示していた。

自己決定権は患者本人に帰属

緊急企画では、提言の改訂を担当する委員会の岡田一義委員長(川島病院腎臓内科)が、改訂の方向性について私見を含め説明。それによると、提言の基本的な考え方として、患者の自己決定を尊重し、人生を全うできるように尊厳ある生(=尊厳生)の立場で支援し、全国の透析施設で対応可能な内容にするとした。

具体的には、人生の最終段階ではない正常な意思決定ができる患者から透析見合わせの申し出があった場合の対応が、検討項目の1つであることを紹介。岡田氏は「透析を拒否した場合、数日から数週間以内に亡くなることが明白。医療チーム、患者さん、家族の間で透析見合わせの合意があったとしても、人生の最終段階ではない患者さんが死を望むことは倫理的に許容できない。しかし、自己決定権は患者さん本人に帰属する」と指摘。その上で「関係者全員の合意形成がある場合には、複数の専門家からなる委員会で(透析見合わせについて)審議する必要はない、と踏み込む予定だ」との見通しを説明した。

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