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■NEWS 23のサブスペ領域を見直す必要性指摘―日医・横倉会長

No.4955 (2019年04月13日発行) P.66

登録日: 2019-04-01

最終更新日: 2019-04-01

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日本医師会の横倉義武会長は、331日に開いた臨時代議員会で、日本専門医機構が認定している23のサブスペシャルティ領域に関して見直す必要があると指摘した。

代議員会の冒頭に挨拶した横倉会長は、専門医制度について「国民に分かりやすいこと、患者さんから信頼される医師の育成制度にすることが目的」と説明。その一方で、日本専門医機構が認定している23のサブスペ領域に関し「領域が一部重なっているなど、国民にとって分かりにくい部分があるのではないか」との懸念を表明した。その上で「制度設計の混乱は、国の関与を強める結果にもなりかねない」と述べ、「328日に開かれた日本専門医機構の社員総会で、23のサブスペ領域を見直すよう要望した」と報告した。

4月から医師偏在解消を目的とした改正医療法・医師法が施行されることについては、「医師偏在指標の数字が一人歩きしないよう注視しつつ、都道府県が新たに作成する医師確保計画に基づく医師偏在対策の実効性の確保に寄与していく」と意欲を示した。

かかりつけ医の心とは「寄り添う心」「和の心」

このほか横倉会長は、ある取材で「かかりつけ医の心とは何か」と問われた際に「寄り添う心」「和の心」と答えたことを紹介し、「一人の患者さんに対し、多くの医療関係者らが協力して、患者さんの思いに寄り添いながら支えていく。こうした心なくして、超高齢多死社会における医療は立ちゆかなくなるのではないか」との考えを披露した。その上で、平成の次の時代の医療制度を描くには「かかりつけ医の心を全国の医師にしっかりと涵養していただくことが重要」と強調した。

さらに、次の時代の医療制度を持続可能なものとして築くことは「未来に対する我々の責任」と指摘し、そのために「人生100年時代に即した医療のあり方を模索していく」との方針を表明した。その際に検討する取組として、①地域医療構想を通じた医療機能の分化・連携等の推進、②医師確保対策を通じた医療資源の地域間格差の是正、③医師の働き方改革を通じた医師の健康確保と地域医療を支える各医療機関の継続性の両立、④医師の養成を通じた医療の質の向上と医師偏在の是正、⑤地域包括ケアシステムを通じた切れ目のない医療・介護提供体制の構築―の5つを挙げ、これらを「高度に相関させながら模索していく」と述べた。

挨拶する横倉会長。平成があと1カ月となったことについて触れた際に「昨年、今上天皇が誕生日を迎えられた際、『平成が戦争のない時代として終わることに、心から安堵しています』と御言葉を述べられたことが大変印象深く心に残っている」と話した

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