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脳卒中後の神経因性膀胱への手術療法・神経ブロック療法の適応は?

No.4951 (2019年03月16日発行) P.62

高尾徹也 (大阪急性期・総合医療センター泌尿器科主任部長)

登録日: 2019-03-13

最終更新日: 2019-03-12

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脳卒中後に神経因性膀胱になり,尿道バルーンカテーテルを留置される患者が多くみられます。内服治療には限界があり,カテーテルフリーにすることが困難なことも多々あります。薬物療法でも治療ができない患者に手術療法や神経ブロックがあると聞きますが,現実にはカテーテルのままの人が多いようです。手術療法や神経ブロックの適応についてご教示下さい。施行施設がわかれば併せてお教え下さい。

(大阪府 K)


【回答】

 【蓄尿障害,薬物療法抵抗性の場合,手術や神経ブロックでなく,電気・磁気刺激療法を行う】

脳梗塞や脳出血で神経因性膀胱になり,尿道バルーンカテーテルが留置されている患者には,いろいろなタイプがあります。①排尿することができないためカテーテルを留置して排尿管理を行う場合(排尿障害),②頻尿で頻回にトイレに行かなければならない,あるいは尿失禁が多いため,カテーテルを留置して排尿管理を行う場合(蓄尿障害),③自排尿が可能であるのに,ADLの低下により排尿行為に時間がかかるため,介護者の負担を減らすためなどの理由でカテーテルが留置されている場合などです。急性期や脳幹部などの梗塞では排尿困難を生じることもありますが,脳血管障害の場合には全体としては蓄尿障害のほうに移行する場合が多いと思われます。

男性でもともと前立腺肥大症が合併していることも多く,排尿筋収縮がうまくいかない場合は,残尿が多くなります。薬物療法として,α1遮断薬やホスホジエステラーゼ5阻害薬やコリン作動薬が使用されることがあります。排尿筋の過活動のために頻尿,尿失禁を生じている場合には,抗コリン薬や選択的β3作動薬などが使用されます。

排尿障害でカテーテルフリーにできない場合,間欠自己導尿あるいは介助者による導尿が考えられます。前立腺肥大に対する手術療法が試みられることもあります。経尿道的に外尿道括約筋を切開したり尿道ステントを留置したりする方法は,脊髄損傷患者などで生じる排尿筋括約筋協調不全(detrusor sphincter dyssynergia:DSD)に対しては試みられることもありますが,脳血管障害の患者ではDSDは少なく,あまり適応がないと考えます。

蓄尿障害の場合,薬物療法に抵抗性の場合には,神経変調療法として,電気刺激療法や磁気刺激療法が行われます。最近では,体内に電気刺激装置を埋め込み,仙骨神経(S3領域)を継続的に電気刺激する治療法によって,過活動膀胱の症状改善を図る治療も保険適用になりました。仙骨神経ブロックや陰部神経ブロックは,最近ではあまり施行されていないと思われます。

【回答者】

高尾徹也 大阪急性期・総合医療センター泌尿器科主任部長

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