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発熱等の副反応の程度とワクチンの効果は相関するか?

No.4950 (2019年03月09日発行) P.63

齋藤昭彦 (新潟大学医学部小児科教授)

登録日: 2019-03-10

最終更新日: 2019-03-05

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ワクチンで接種部位の腫脹や接種後の発熱の程度と,ワクチンの効力に関連はあるのでしょうか。副反応が強く出たほうが効力があると言われることがありますが,この説にエビデンスはあるのでしょうか。

(千葉県 K)


【回答】

【ワクチンの副反応と効果は別々の機序により生じる】

ワクチンの副反応の程度と効果の関連を示すデータはありません。確かに,ワクチンの副反応である接種部位の腫脹,発赤,痛みが強く出たり,発熱すれば,接種したワクチンに個体がより反応している印象を持ちますが,それらの反応は,ワクチン抗原を接種した際に惹起される宿主の自然免疫による局所のサイトカインの誘導などによって起こります。しかしながら,その反応は,ワクチンの効果とは相関しません。

ワクチンの効果は,ワクチン抗原が樹状細胞によって所属リンパ節に運ばれ,そこで起こる獲得免疫反応によって決定されます。そこでは,樹状細胞上に存在するToll like receptorsなどがワクチン抗原やワクチンのアジュバントなどを認識します。そして,主にヘルパーT細胞に抗原提示を行うことでB細胞に抗体産生を促し,ワクチンの効果となります。

ワクチンの副反応と効果は別々のメカニズムで起こることを理解しておくべきと考えます。

【回答者】

齋藤昭彦 新潟大学医学部小児科教授

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