スポーツ庁と厚生労働省は11日、注射用鉄剤の適正使用を求める通知を全国に発出した。
鉄剤の静脈注射は本来、鉄欠乏性貧血が重症かつ緊急の場合など、経口による鉄剤の投与が困難な場合に使用される。しかし昨年、中学生、高校生の長距離競技者を対象に持久力を高めるための安易な鉄剤注射の実態が新聞で報道されていた。
通知では「鉄剤の静脈注射について、不適切な利用の実態が確認された」とし、「鉄剤の静脈注射は、鉄分の過剰摂取につながりやすく、急性および慢性の副作用を起こすおそれがある」と注意喚起。その上で、鉄剤の使用に当たっては、競技者と関係者の希望によるのではなく、添付文書を熟読し、医学上の必要性を判断し、適切に対応するよう医療機関と薬局に周知することを要請した。