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■NEWS スタチン系とフィブラート系の「原則併用禁忌」を解除へ―厚労省調査会

No.4928 (2018年10月06日発行) P.18

登録日: 2018-09-26

最終更新日: 2018-09-26

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スタチン系薬剤とフィブラート系薬剤の原則併用禁忌を解除することで一致した25日の調査会

薬事・食品衛生審議会の医薬品等安全対策部会安全対策調査会(五十嵐隆座長)は25日、スタチン系薬剤とフィブラート系薬剤の併用について、腎機能に異常がある患者に対する「原則禁忌」を解除する方向で一致した。日本動脈硬化学会の要望を受けた対応。厚生労働省は近く、製造販売各社に添付文書の改訂を指示する。改訂後も「重要な基本的注意」の項で、併用時の横紋筋融解症に関する注意喚起は継続し、投与後の定期的な腎機能検査の実施などを求める。

スタチン系とフィブラート系の投与を巡っては、欧米では一部の薬剤を除いて腎機能が低下している患者にも併用は可能とされており、国内外のガイドラインでも併用禁忌の記載はない。一方、現行の国内の添付文書では、腎機能に関する臨床検査値に異常がみられる患者では、横紋筋融解症が現れやすいとして、治療上やむをえない場合にのみ併用が認められている。

同日の調査会で、動脈硬化学会からの参考人として出席した上田之彦氏(枚方公済病院)らは「臨床経験からも、海外のデータからも、併用によって横紋筋融解症は増えていない」とした上で、動脈硬化性疾患の予防・治療における両剤併用投与の有用性を強調。原則禁忌の記載によって「我が国だけが臨床現場で併用しづらく、不利益を被っている」と訴えた。これを受け、調査会は原則併用禁忌の見直しを了承した。

併用に当たって腎機能を評価する際に用いる指標や異常の判定基準については、動脈硬化学会が中心となって一般臨床医に周知・啓発を図る方針。

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