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腎移植後免疫抑制療法の新しい動き

No.4926 (2018年09月22日発行) P.55

齋藤和英 (新潟大学泌尿器科准教授)

登録日: 2018-09-24

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【抗CD20抗体リツキシマブとmTOR阻害薬エベロリムスの導入】

2000年以降わが国では腎移植時の導入・維持免疫抑制療法はカルシニューリン阻害薬(CNI),ミコフェノール酸モフェチル(MMF),ステロイドにIL-2受容体α鎖に対するモノクローナル抗体バシリキシマブ(BSL)を加えた4剤併用療法が標準的であったが,新規薬剤の承認により,新たな局面も生まれている。

04年からABO血液型不適合腎移植に対する脱感作療法として用いられてきた,CD20に対するモノクローナル抗体であるリツキシマブが16年2月に承認され,標準治療としての使用が可能になった。

11年12月にはmTOR阻害薬であるエベロリムス(EVR)が腎移植後の免疫抑制薬として承認された1)。導入時からCNI・ステロイド・BSLと併用する方法,あるいは移植後一定時期が過ぎてから,MMFからconvert,またはadd onし,ステロイド・CNIを減量するプロトコルなど,様々な試みが広がりつつある。

EVRはサイトメガロウイルス・BKウイルス感染症などのウイルス感染症の頻度が低く,CNIの減量によってCNI腎毒性を軽減できることが特徴である1)。また,高用量のEVRは腎癌や乳癌に対する抗悪性腫瘍薬として使用されており,腎移植患者の発がん予防や,移植後がん罹患者の免疫抑制療法の選択肢としても注目されている2)

【文献】

1) Takahashi K, et al:Transplant Res. 2013;2(1): 14.

2) Lim WH, et al:Kidney Int. 2017;91(4):954-63.

【解説】

齋藤和英 新潟大学泌尿器科准教授

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