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■NEWS 梅毒急増は「特異的」と警鐘、診療ガイドの活用を呼び掛け―日医・平川常任理事

No.4925 (2018年09月15日発行) P.19

登録日: 2018-09-06

最終更新日: 2018-09-06

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大都市圏を中心とする梅毒患者の急増を受け、日本医師会の平川俊夫常任理事は5日の会見で、他の性感染症の発生動向に比べて「近年の梅毒の増加は特異的」と警鐘を鳴らした。一般医家に向けては「あらゆる診療科で梅毒を念頭に置いた診療が求められる」と述べ、日医が日本性感染症学会などと協力して梅毒を疑う症状や診断・治療の要点をまとめた「梅毒診療ガイド」(ダイジェスト版)を活用するよう呼び掛けた。

国立感染症研究所の集計によると、梅毒報告数は2014年前後から急増し、17年は5820人に上った。平川氏は「今年は7000人に達すると予測されている」とし、疫学的動向として、男女とも異性間性交渉での感染が増加していることなどを説明。医療従事者に向けて「患者のパートナーにも検査の受診を呼び掛けてほしい。また、先天性梅毒の増加を防ぐためにも妊婦健診の確実な実施が求められる」と強調した。

梅毒は鑑別が難しい上に、診療した経験のない医師も増えている。平川氏は、梅毒を疑う端緒とする症状として粘膜・皮膚の発疹を挙げ、「皮膚以外の臓器にも病変があれば梅毒抗体検査につなげてほしい」とした。特に、侵入門戸となる外性器や口腔内などにできる小さな病変については「見逃さないことが大切。病態をアトラスなどで確認して頭に入れてほしい」とした上で、「症状のない間でも感染力があることも認識すべきだ」と述べた。

「梅毒診療ガイド」の内容を紹介する平川常任理事

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