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■NEWS 主治医が予期しない画像所見は異なる手段で報告を 死亡事例受け医学放射線学会が見解

No.4918 (2018年07月28日発行) P.20

登録日: 2018-07-23

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画像診断報告書の確認不足等により診断が遅れ、治療開始の遅延が原因で患者が死亡した事例が報告されていることについて、日本医学放射線学会は19日に見解を発表した。主治医が予期しない重要な所見を発見した際には、ルーチンの報告手段とは異なる手段で報告すべきとしている。

見解では、画像結果の報告書が主治医に認識されない要因について、①増加する情報量に対し、放射線科診断専門医の増加が追い付いていない、②医療の高度化により専門分化が進んだ、③各医療者間のコミュニケーションの不足、④主治医がオーダーする検査数の増加により、主治医自身がその結果を消化しきれなくなっている、⑤画像検査の高度化により診断結果報告書内に記載されている情報量が多く、容易に理解できなくなっている―などを列挙し、「これらが複合的な要因となって発生したものと考えられる」と説明。

その上でこれらの解決策として、各医療機関の取組として「画像診断報告書を必ずチェックする仕組みを電子カルテあるいはPACS(医療用画像管理システム)上で構築することが求められる」と提案。

さらに、「放射線科医も危機的所見や緊急を要する所見を画像上で発見した際には、ルーチンの報告手段、すなわち電子カルテやレポートへの記載等による方法とは異なる手段を試みる必要がある」と指摘。主治医が予期していなかった所見を放射線診断医が発見した場合の対応を一律に規定することは困難だとして、厚生労働省など関係者と連携し、適切な制度設計、政策立案等を推進していく予定だとした。

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