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繰り返す尿路結石症の予防のために実践すべき診療【低リスク患者には生活習慣等の指導を,高リスク患者は疾患特異的な代謝物を測定する】

No.4916 (2018年07月14日発行) P.55

和田耕一郎 (岡山大学病院泌尿器科講師)

濱本周造 (名古屋市立大学大学院医学研究科腎・泌尿器科学分野講師)

登録日: 2018-07-13

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  • 尿路結石症のマネジメントに関して,新しい手術機器や手技に注目が集まりがちですが,再発予防に関する内科的治療はあまり実践されていないように思います。繰り返す尿路結石症に対する予防に関して,臨床医がmustとして行うべき診療について名古屋市立大学・濱本周造先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    和田耕一郎 岡山大学病院泌尿器科講師


    【回答】

    尿路結石の治療は,内視鏡機器の進歩に伴い,より低侵襲に砕石が可能となっています。一方,それに伴い再発予防が軽んじられている現状は否定できません。わが国における尿路結石の発症頻度は,食生活の欧米化に伴いこの40年間で約3倍に増加しています。また,5年以内に約半数が再発するとされ,尿路結石の成因に基づいたリスク評価や再発予防は非常に重要となっています。

    再発を繰り返す患者の評価として,家族歴,既往歴,生活習慣などの問診とともに,結石成分分析,血液生化学,一般尿検査,24時間尿生化学検査が挙げられます。その結果をもとに,尿路結石形成のリスク分類を行い,低リスクに対しては,飲水,食事,生活習慣の指導を,高リスクに対しては,疾患特異的な代謝物を測定し,より当該疾患に適した再発予防を行うのがよいと考えます。

    (1)飲水指導
    「尿路結石症診療ガイドライン」では,水分を多く摂取し,尿量を増加させることは,結石成分や発生原因のいかんにかかわらず重要であるとされています。再発予防には,1日尿量が2000mLを超えることが望まれるため,食事以外に1日2000mL以上の水分摂取を指導します。

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