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【完全図解】 解剖実習マニュアル

剖出の手順と観察のポイントを「完全図解」

定価:5,830円
(本体5,300円+税)

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著: 長戸康和(東海大学医学部准教授)
判型: B5判
頁数: 408頁
装丁: カラー
発行日: 2009年11月01日
ISBN: 978-4-7849-3200-9
版数: 第1版
付録: -

解剖実習の手順を詳細に図解したマニュアル本です。初学者が目的の構造を確実に見つけ出し、剖出するにはどうすればよいか? その手順と観察のポイントを、約400枚のカラーイラストで「完全図解」しました。イラストは、著者自身が実際に解剖しながら作成したスケッチをもとにしています。表層から深部へと解剖を進めていく過程が一目瞭然で、立体的なイメージをつかむことができます。

診療科: 基礎医学 解剖学

目次

第1章 体幹と四肢の解剖

A. 背部浅層の解剖
1. 皮膚の剥離と皮神経の剖出
1.1 皮膚の剥離
1.2 脊髄神経後枝の剖出
1.3 大後頭神経の剖出
2. 浅層筋の剖出と観察
2.1 筋膜の剥離
2.2 浅層筋の剖出と起始部の切断
1)僧帽筋の解剖
2)広背筋の解剖
3)大・小菱形筋の解剖と肩甲挙筋の観察

B. 頚部と胸腹壁の解剖
1. 頚部の解剖
1.1 浅層筋と皮神経の剖出
1)頚部の皮膚剥離
2)広頚筋の剖出
3)鎖骨上神経と頚横神経の剖出
4)皮神経と皮静脈の剖出(続き)
1.2 頚部の筋の剖出
1)舌骨筋群の剖出
2)胸鎖乳突筋の剖出
3)胸鎖乳突筋の解剖と頚神経ワナの剖出
4)舌骨上筋群の剖出と顎下三角の観察
2. 胸腹壁の解剖
2.1 胸腹壁の皮神経と皮静脈の剖出
1)乳頭・乳房の観察
2)肋間神経の前皮枝と外側皮枝,胸腹壁静脈・浅腹壁静脈の剖出
2.2 胸壁の筋の解剖
1)大胸筋と前鋸筋の剖出
2)大胸筋・小胸筋の切断と支配神経の剖出
2.3 腹壁の筋の解剖
1)腹直筋と外腹斜筋の剖出
2)側腹筋の剖出と支配神経の観察

C. 腋窩の解剖
1. 鎖骨下部の腕神経叢の剖出
1.1 鎖骨の切断と胸鎖関節の分離
1.2 鎖骨下部の腕神経叢の剖出
2. 鎖骨上部の腕神経叢の剖出
2.1 後神経束の剖出とその枝の追跡
3. 腋窩の動脈系の剖出
3.1 鎖骨下動脈・腋窩動脈とその枝の剖出

D. 上肢の解剖
1. 仰臥位での解剖
1.1 皮膚の剥離と皮神経・皮静脈の剖出
1)皮膚の剥離
2)皮神経と皮静脈の剖出
1.2 上腕屈側の解剖
1)上腕二頭筋と上腕筋の剖出
2)肘と上腕屈側深層の解剖
1.3 前腕伸側と手背の解剖
1)手背の皮膚の剥離と皮神経・皮静脈の剖出
2)前腕伸筋群の剖出
2. 伏臥位での解剖
2.1 上肢帯と上腕伸側の解剖
1)皮膚の剥離
2)上肢帯の筋と上腕三頭筋の解剖
2.2 前腕屈側と手掌の解剖
1)皮膚の剥離と皮下脂肪の切除
2)前腕浅層の筋の剖出,手掌の解剖
3)前腕深層の解剖
4)手の固有筋と尺骨神経深枝の剖出
5)母指球筋と小指球筋の剖出

E. 下肢の解剖
1. 仰臥位での解剖
1.1 皮膚の剥離と皮神経・皮静脈の剖出
1)皮膚の剥離
2)皮神経と皮静脈の剖出
1.2 大腿三角の観察
1)大腿四頭筋,縫工筋および腸脛靭帯の剖出
2)大腿三角の観察
1.3 大腿四頭筋と内転筋の剖出
1.4 下腿前面と足背の解剖
1)足背の皮神経・皮静脈の剖出
2)下腿伸筋群と深腓骨神経,前脛骨動脈の剖出
3)足背の神経と血管の剖出
2. 伏臥位での解剖
2.1 大殿筋の剖出
2.2 殿部深層と大腿後面の解剖
1)殿部深層の解剖
2)大腿屈筋群の剖出
3)坐骨神経の剖出
4)膝窩の解剖
2.3 下腿後面の解剖
1)下腿後面の皮神経・皮静脈の剖出
2)下腿屈筋群の剖出
3)腓骨筋群の剖出
4)足底の皮膚剥離と足底腱膜の剖出
2.4 足底の解剖
1)足底浅層の解剖
2)足底深層の解剖

F. 外陰部の解剖
1. 皮膚の剥離と皮下脂肪の切除
2. 鼡径部の解剖
2.1 男性の鼡径部
2.2 女性の鼡径部
3. 会陰の解剖
3.1 会陰の筋と神経・血管の剖出
3.2 内陰部動・静脈と陰部神経の追跡
3.3 外生殖器の観察

G. 背部深層の解剖
1. 固有背筋の剖出と観察
1.1 後頚部深層の解剖
1.2 後頭下の解剖
1.3 脊柱起立筋と横突棘筋の剖出


第2章 関節の解剖

A. 肩関節の解剖
1. 肩周囲の解剖
2. 靭帯の剖出
3. 回旋筋腱板の剖出と関節包の観察
4. 関節包の切開と観察

B. 肘関節の解剖
1. 肘周囲の筋の剥離
2. 内側上顆付近の解剖と内側側副靭帯の剖出
3. 外側上顆付近の解剖と外側側副靭帯の剖出
4. 橈骨輪状靭帯の観察
5. 関節包の解剖

C. 手の関節の解剖
1. 手掌の靭帯の剖出
2. 手背の靭帯の剖出
3. 手の関節
3.1 橈骨手根関節
3.2 手根中手関節(CM関節)
3.3 中手指節関節(MP関節)
3.4 指節間関節(IP関節)

D. 股関節の解剖
1. 股関節後面の解剖
2. 股関節前面の解剖
3. 内閉鎖筋・外閉鎖筋の剖出と除去
4. 靭帯と関節包の解剖

E. 膝関節の解剖
1. 内側面と外側面の解剖
2. 側副靭帯の剖出と後面の解剖
3. 前面の解剖
4. 関節内靭帯と軟骨(半月)の観察

F. 足の関節の解剖
1. 足背部外側面の解剖
2. 内側面の解剖
3. 足底部の解剖
4. 後面の解剖


第3章 胸腹部内臓の解剖

A. 胸部内臓の解剖
1. 開 胸
1.1 肋間筋の観察と内胸動・静脈の剖出
1.2 胸骨と肋軟骨の除去
1.3 胸腔入口付近の解剖
2. 心臓の摘出と解剖,縦隔の解剖
2.1 心膜とその周辺の観察
2.2 心膜横洞・心膜斜洞の確認
2.3 心臓の摘出
2.4 心臓の解剖
1)冠状動・静脈の剖出
2)心房・心室の解剖
3)心房と心室の分離
2.5 心膜腔の観察
2.6 壁側心膜の除去と縦隔の解剖
3. 肺の摘出と解剖
3.1 肺の摘出
3.2 肺の外観
3.3 肺の解剖

B. 腹部内臓の解剖
1. 開腹と腹膜の観察
1.1 開腹
1.2 大網・小網および前腹壁のヒダの観察
1)大網・小網の観察
2)前腹壁のヒダの観察
1.3 腸間膜・結腸間膜の観察
2. 上および下腸間膜動・静脈の剖出
2.1 上腸間膜動・静脈の剖出
2.2 下腸間膜動・静脈の剖出
3. 腸管の摘出と解剖
3.1 腸管の摘出
3.2 腸管の解剖
4. 腹腔動脈と門脈の剖出
4.1 腹腔動脈と門脈の剖出
4.2 脾動脈・脾静脈の剖出
5. 上腹部内臓の摘出と解剖
5.1 上腹部内臓の摘出
5.2 上腹部内臓の解剖

C. 後胸壁・後腹壁と横隔膜の解剖
1. 後腹膜器官とは
2. 縦隔後部の解剖
2.1 脈管系の剖出
2.2 神経系の剖出
3. 横隔膜の解剖
4. 腹大動脈と下大静脈周囲の解剖
4.1 腹部の交感神経幹・神経叢の剖出
4.2 腹大動脈の臓側枝の剖出
4.3 下大静脈に入る静脈の剖出
5. 腎臓・副腎の摘出と解剖
5.1 腎臓の解剖
5.2 副腎の解剖
6. 腹部の交感神経系と腰神経叢の剖出
6.1 腹部の交感神経幹・神経叢の剖出
6.2 腰神経叢とその枝の剖出

D. 骨盤腔の解剖
1. 骨盤内臓の観察
2. 内腸骨動脈とその枝の剖出
3. 骨盤内臓の摘出と観察
3.1 精索(子宮円索)の解剖
1)精索と陰嚢・陰茎の解剖
2)子宮円索の解剖
3.2 骨盤内臓の摘出
3.3 男性骨盤内臓の解剖
3.4 女性骨盤内臓の解剖
3.5 直腸の解剖
4. 骨盤壁の解剖
4.1 内腸骨動脈の壁側枝の剖出
4.2 仙骨神経叢の剖出
4.3 骨盤壁の筋の観察

E. 腹膜の解剖
腹膜腔の発生


第4章 頭頚部の解剖

A. 頭蓋底の観察と眼窩の解剖
1. 脳硬膜の観察と脳神経の確認
1.1 頭蓋冠の除去
1.2 脳硬膜の剥離
1.3 海綿静脈洞の観察
2. 眼窩の解剖
2.1 眼窩の観察
2.2 眼窩の上壁(前頭蓋窩)の除去
2.3 眼神経・滑車神経の剖出
2.4 動眼神経・外転神経と眼筋,涙腺の剖出
2.5 眼窩の血管系

B. 頭頚部浅層の解剖
1. 顔面の浅層
1.1 顔面の皮膚剥離
1.2 表情筋とその支配神経の剖出
1.3 顔面動脈の追跡
1.4 耳下腺と耳下腺管の剖出
2. 頚部の浅層
2.1 耳下腺神経叢の剖出
2.2 副神経と頚神経(C3・C4)の剖出
2.3 外頚動脈の剖出と追跡
2.4 甲状腺の観察

C. 頭頚部深層の解剖
1. 頭頚部の離断と咽頭後壁の解剖
1.1 頭頚部の離断
1)体幹と頭頚部を結ぶ器官を切断する
2)環椎後頭関節を離断する
1.2 咽頭後壁の解剖
1.3 上皮小体の観察
2. 咽頭と喉頭の解剖
2.1 咽頭後壁の切開
2.2 喉頭の解剖;披裂筋の剖出
3. 鼻腔・副鼻腔・咽頭・喉頭の観察
3.1 頭頚部の正中断
3.2 鼻腔・副鼻腔の観察
3.3 咽頭粘膜の観察
3.4 喉頭の観察
1)喉頭腔の観察
2)喉頭筋と喉頭軟骨の観察
4. 咀嚼筋の剖出と側頭下窩の解剖
4.1 咀嚼筋とその支配神経の剖出
1)側頭筋膜の除去,咬筋の剖出と頬骨弓の切断
2)側頭筋と咬筋神経の剖出
3)側頭筋の反転,翼突筋と顎動脈の剖出
4.2 下顎神経と顎動脈の剖出
4.3 鼓索神経の剖出
5. 口腔の解剖
5.1 舌の観察と解剖
5.2 口蓋の観察と解剖
5.3 唾液腺の解剖

D. 副交感神経節の剖出
1. 毛様体神経節の剖出
1.1 眼球の摘出
1.2 毛様体神経節の剖出
2. 翼口蓋神経節の剖出
2.1 翼口蓋神経節の剖出
2.2 翼突管神経の剖出
2.3 大口蓋神経の剖出
3. 顎下神経節の剖出

E. 三叉神経の知覚枝
1. 眼神経
2. 上顎神経
3. 下顎神経

F. 頭頚部の血管系
頭頚部の動脈
頭頚部の静脈

G. 頭蓋骨の観察
1. 内頭蓋底
2. 外頭蓋底
3. 頭蓋冠
4. 顔面頭蓋

H. 脳神経のまとめ
1. 脳神経核の分化
2. 脳神経の分布
3. 脳神経の構成要素


第5章 感覚器の解剖

A. 眼球の摘出と解剖
1. 眼瞼付近の観察
2. 眼球とその付属物の摘出
3. 眼球内部の観察
3.1 眼球の切断
3.2 眼球線維膜(角膜・強膜)の観察
3.3 毛様体・虹彩・瞳孔の観察
3.4 眼球血管膜(脈絡膜)と網膜の観察

B. 平衡聴覚器の解剖
1. 側頭骨の切り出し
2. 外耳の観察
2.1 耳介の観察
2.2 外耳道の観察
3. 内耳道底の解剖
4. 中耳の解剖
4.1 鼓室蓋の除去
4.2 鼓室の分割
5. 内耳の解剖

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レビュー

私にとっての解剖のバイブルです

 
この本があるのとはないのでは、解剖実習への理解度が全く変わってくると感じました。
私の大学では、剖出すべきポイントが書かれたレジュメを渡されるのみ、始めは黒本を使って予習し、ネッターを見て実習に臨むも、それでは完成図だけを知っていても、そこにたどり着く経過が分からず、手探りでお料理をしているようなものでした。

この本と出会ってからは、解剖の手順が学生の立場で一歩ずつ説明されているため、目的にたどり着く過程であっても、できれば見ておくべき点を観察しながら実習を進める余裕がでてきました。
解剖が大の苦手と感じて苦労していた私にとって、使い始めた当時の衝撃は大きかったです。
剖出の手順のみならず、ポイントごとに観察すべき重要な点について記載があり、調べ物をする手間も省けます。

ここまで分かりやすい解剖の手順書は、私が探した中では、他にはなかったと思います。
解剖実習を終えて数年を経た今でも、この本のビジュアルが頭によみがえってきます。

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解剖実習の手順書ならこれ!

 
解剖実習において最も大切なことは、限られた時間の中で如何に多くを剖出するか、それも表層から深部まで順序立てて進めていく必要があります。
メスを入れる時、その下に何があるのか、何を傷つけてはいけないのか理解した上で解剖しなければなりません。

本書の良い点として、
1 解剖する際の手順がステップごとに記されているので、常に一歩先を見ながら解剖できる
2 各手順にはイラストによる解説がつき、実際の作業がイメージしやすい
3 四肢、体幹、胸腹部、頭頸部全ての解剖手順を網羅しているため、本書の手順に沿うと全身の重要臓器や器官の観察ができる
が挙げられます。

私は医学部2年次の解剖実習で本書を使いました。実習の前に本書を読み、細部は『ネッター解剖学アトラス』と照らし合わせて解剖手順のイメージを作ると、時間を忘れて没頭してしまうほど解剖が面白いものになります。

残念ながら大学で指定されるような解剖の教科書は、実習になるとほとんど威力を発揮しません。これらの本には解剖の手順が全く書いてないからです。時間が限られている解剖実習では本書を使うことで楽しく、無駄なく、知識のばらつきなく解剖学を学ぶことができると思います。

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