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(8)Ⅰ 内臓悪性腫瘍の皮膚病変─2 腫瘍随伴皮膚病変 ⑦葡行性迂回状紅斑[特集:皮膚病変でみる内科疾患]

登録日: 2017.12.22 最終更新日: 2026.02.21

須山孝雪 (獨協医科大学埼玉医療センター皮膚科准教授)

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葡行性迂回状紅斑は木目状・波紋状を呈する紅斑で,紅斑が遠心状に拡大して環状となる。瘙痒が強く,消褪・再発を繰り返す

80%以上に内臓悪性腫瘍を合併するため,腫瘍随伴皮膚病変と考えられているが,悪性腫瘍や基礎疾患を伴わない報告も散見される

環状紅斑はSjögren症候群や全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病のほか,葡行性迂回状紅斑と同様に内臓悪性腫瘍に随伴することもある

症 例

68歳,男性。主訴:瘙痒を伴う全身の紅斑(図1・2)




【家族歴】 膠原病(-),悪性腫瘍(-)のほかには特になし。
【既往歴】 逆流性食道炎,前立腺肥大症
【薬剤歴】 ランソプラゾール内服中。
【現病歴】 ‌X年4月に体幹・四肢に紅斑が出現し,瘙痒を伴うようになった。近医でstrongestクラスの副腎皮質ステロイド軟膏を処方され,一時軽快したがすぐに再燃したため,精査目的に当科を紹介された。
【初診時】 ‌体幹・四肢に浮腫性紅斑があり,四肢には3~4重の木目状紅斑を形成していた(図1)。
‌紅斑より皮膚生検術を施行した(図2)。真皮浅層の毛血管周囲に軽度炎症細胞浸潤があり,臨床像と併せて葡行性迂回状紅斑(erythema gyratum repens)と診断した。血算,生化学で異常値なし。腫瘍マーカーCEA 2.8ng/mL,CA19-9 3.4U/mL,S-IL2R 757U/mL,尿検査で潜血1+,CTで膀胱癌を指摘され,内視鏡的に切除の予定である。瘙痒に対しては対症的にvery strong~strongestクラスの副腎皮質ステロイド軟膏を外用し,抗アレルギー薬内服を併用している。


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