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遊離組織移植による頭頸部再建のポイント【上下顎は整容面,口腔・咽頭は機能面を重視】

登録日: 2017.10.02 最終更新日: 2026.02.21

山本 匠 (国立国際医療研究センター病院形成外科診療科) 門田英輝 (九州大学病院形成外科准教授)

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頭頸部再建において遊離組織移植による治療がよく行われており,「標準的」な治療となっていますが,欠損部を機能的・整容的に再建しつつ,採取部の犠牲および周術期合併症を減らすためには種々の工夫が必要であると考えられます。そこで,遊離組織移植による頭頸部再建における要点と盲点について九州大学・門田英輝先生にご回答をお願いします。

【質問者】

山本 匠 国立国際医療研究センター病 形成外科診療科長


【回答】

(1)頭頸部再建とは

口腔・咽頭・頭蓋顎顔面領域の腫瘍切除後あるいは外傷後に生じた組織欠損を,可能な限り元に近い形態まで回復する手術です。以前は大胸筋皮弁や胸三角筋部(deltopectoral:DP)皮弁など,頭頸部に近接した有茎皮弁(栄養血管がつながった状態で組織を移動)が用いられていました。

近年,血管吻合の手技向上や顕微鏡の進歩もあり,頭頸部再建における有茎皮弁はsecond lineとなり,遊離組織移植(血管吻合を行って遠隔部の組織を移植)が第一選択となっています。

(2)上下顎の再建

整容的な配慮が必要な手術です。上顎骨の広範な欠損が生じると,眼球や頰部の陥凹といった中顔面の変形が生じ,社会復帰が困難となります。以前は腹直筋皮弁などの軟部組織による再建が行われていましたが,腹部の脂肪が不足する症例や,術後に体重が減少する症例では皮弁のボリュームが不足し,顔貌の変形が残ってしまいました。現在は肋骨付き前鋸筋・広背筋連合皮弁や腓骨皮弁など,骨組織を含む皮弁で骨格を再建することにより,良好な顔貌の回復が可能となっています。


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