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認知行動療法による脳内変化,脳画像研究の最先端 【認知行動療法は認知過程や情動反応の変化を起こす】

登録日: 2017.03.30 最終更新日: 2026.02.21

堀越 勝 (国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センターセンター長) 岡本泰昌 (広島大学大学院医歯薬保健学研究院応用生命科学部門・精神神経医科学准教授)

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近年,認知行動療法(cognitive behavioral therapy:CBT)が注目されるようになった理由のひとつは,その治療効果についての実証的な研究結果が報告されるようになったからだと思います。つまり,うつ病患者や不安症患者に対してCBTを実施すると,測定できる形で何らかの変化が起こっていることになります。しかし,それらは自記式尺度であったり,半構造化面接の結果であったりすることが多いのですが,実際には脳内にも何らかの変化が生じているはずだと思います。
どんな精神疾患にCBTを実施すると,どんな脳内変化がみられるのか,CBTに関する脳画像研究の最先端はどうなっているのか,エキスパートにうかがってみたいと思います。
広島大学・岡本泰昌先生にご回答をお願いします。

【質問者】

堀越 勝 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センターセンター長


【回答】

現時点では,CBTは様々な精神障害を対象として有効性が実証されています。しかし,医学的な治療としてCBTを用いる際には,それが脳レベルでどのような作用を介して効果の発現に至るかを理解しておくことは重要です。

(1) うつ病における研究知見
私たちは,うつ病患者を対象としてCBT前後の「ネガティブな感情語の自己関連付け課題」遂行中の脳活動の変化を調べました。

機能的核磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging:fMRI)によって明らかにされたことは,患者の腹内側前頭前野・前部帯状回の活動が健常者より有意に上昇し,CBT後には抑うつ症状の改善とともに,これらの領域の活動や結合性が有意に低下したということです。

さらに,私たちは抑うつ症状を有する対象へのCBTでは,罰予期時の腹外側前頭前野の情動制御に関わる活動を回復させること,ポジティブなメタ認知に関連した背内側前頭前野の活動増強と抑うつ症状を改善させることを明らかにしました。すなわち,CBTにより認知処理や情動制御に関わる領域が強化されることが示唆されます。

(2)不安障害における研究知見
不安障害についてもいくつかの研究知見が得られています。


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