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曝露後予防(PEP)の基本的な考え方・適応および曝露前予防(PrEP) 【感染経路によりoPEP(職業的)とnPEP(非職業的)に分類。72時間以上経過例にnPEPは不適応。PrEPは薬価次第で定着も】

登録日: 2016.12.15 最終更新日: 2026.02.21

忽那賢志 (国立国際医療研究センター国際感染症センター/国際診療部) 西島 健 (国立国際医療研究センターエイズ治療・研究センター)

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ときどき「知らない人とセックスしちゃったからHIVが心配です! クスリを下さい!」といって受診される人がいます。最近の曝露後予防(post-exposure prophylaxis:PEP)の基本的な考え方や,適応について教えて下さい。また曝露前予防(pre-exposure prophylaxis:PrEP)はわが国でも可能でしょうか。国立国際医療研究センターエイズ治療・研究センター・西島 健先生にご回答をお願いします。

【質問者】

忽那賢志 国立国際医療研究センター 国際感染症センター/国際診療部


【回答】

(1)曝露後予防(PEP)
針刺しや性交渉などでHIVに曝露しても,すぐに抗HIV薬3剤を28日間内服すると感染が防げることがわかっており,PEPと呼ばれています。
PEPは大きく2つにわけられます。1つは医療従事者がHIV感染例から針刺し・粘膜曝露をした場合に行う職業的曝露後予防(occupational PEP:oPEP),もう1つは性交渉・静脈注射薬物使用・レイプなどでHIVに曝露した可能性があるときに行う非職業的曝露後予防(non-occupational PEP:nPEP)で,ご質問のケースはこちらに該当します。

PEPにおける注意点は2つあります。1つは費用です。保険が利かないため自費診療で,薬剤の適応外使用になることにも注意が必要です。oPEPであれば,職場である医療機関が労災として負担し,自己負担はないことが多いのですが,nPEPでは全額自費になるため,薬剤検査代などを含めた費用総額は優に20万円を超えます。もう1つは,PEPを受ける場合は,内服開始時にHIV,B型肝炎,C型肝炎などの感染の有無や,肝腎機能を調べるなど,システマティックな対応が必要になることです。米国のnPEPのガイドラインは,このほかにも梅毒,クラミジア,淋菌,女性であれば妊娠検査も推奨しています。このような対応が必要なため,nPEPに対応できる医療機関は限られています。


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