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留置カテーテル患者の尿混濁対策

登録日: 2014.09.06 最終更新日: 2026.02.21

後藤百万 (名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学教授)

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【Q】

特別養護老人施設の嘱託医をしている。留置カテーテルをしている入所者で,尿混濁によりカテーテルが詰まり,交換を余儀なくされる場合が多い。その都度,抗菌薬を投与するが,効果が一時的で治療に苦慮している。何か良い治療法はないか。 (宮城県 N)

【A】

尿道カテーテルを長期留置した場合,尿路感染を避けることは困難となる。どんなに細菌が入らないように気をつけたとしても,1週間以上感染を防ぐことは難しく,抗菌薬の投与を行っても同様である。したがって,尿道カテーテルを長期留置する場合には,尿路感染は必発となる。ただし,発熱などの症状がなければ,抗菌薬を使う必要はなく,経過観察となる。むしろ安易に抗菌薬を投与すると,抗菌薬が効かない耐性菌が出てきてしまう。

(1)尿混濁重症患者への対応
尿路感染による尿混濁がひどい場合はカテーテルが閉塞することがある。膀胱洗浄は,一次的なカテーテル閉塞解除にはなるものの,尿混濁の改善には効果がなく,尿混濁が高度な場合には,いったん尿道カテーテルを抜去して,清潔間欠導尿に切り替えることが推奨される(文献1)。清潔間欠導尿だけでも,尿混濁が改善することが多く,改善不良であれば短期間の抗菌薬の投与を行ってもよい。もし,清潔間欠導尿で改善されるようであれば,再度カテーテル留置を行うのではなく,自己排尿,あるいは清潔間欠導尿による排尿管理を続けることができるよう,できる限り努力することが大切となる。

(2)自己導尿(清潔間欠導尿)と自己排尿の意義
清潔間欠導尿は,本人,家族が行うことが認められており,診療機関では在宅自己導尿指導管理料も算定することができる。しかし,老人施設において,導尿を行う場合には,介護系職員による導尿は認められておらず,医師あるいは看護師しか行うことができないため,看護師の常駐する施設であれば可能であるが,そうでない施設では本人が実施できない限り難しいという現状はある。
しかし,もう1点重要なことは,本当にカテーテル留置が必要かどうかということである。安易なカテーテル留置は,寝たきり状態や認知症の助長につながることも少なくない。老人施設では,医学的に適切な理由なくカテーテル留置が行われていることが少なくなく(文献2),まず,留置カテーテルを抜去して,排尿状態を確認し,カテーテルフリーの排尿をめざすことが非常に重要である。

【文献】


1) 高植幸子,他:排尿障害の治療・ケア,排泄リハビリテーション─理論と臨床. 中山書店, 2009, p313-9.
2) 後藤百万,他:日神因性膀胱会誌. 2001;12(2):207-22.


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