インフルエンザは,インフルエンザウイルスを病原体とする気道感染症である1)。インフルエンザウイルスはオルソミクソウイルス科に属する一本鎖RNAウイルスで,A・B・C・Dの4つの型があるが,主にA型とB型が流行する。感染経路は飛沫感染と接触感染である。日本では冬季を中心に流行のピークが認められる。
インフルエンザ(鳥インフルエンザおよび新型インフルエンザ等感染症を除く)については,感染症法における,5類感染症の定点把握疾患に定められている。
▶診断のポイント
【症状】
発熱,咳,頭痛などの症状を呈し,成人では二次性細菌性肺炎の合併で致死的となりうるため,その有無をチェックする1)2)。病歴聴取の際には,発症日,周囲の感染(流行)状況,ワクチン接種歴(インフルエンザ以外の肺炎球菌ワクチンなどを含む),重症化リスク因子(基礎疾患など),常用薬,妊娠の有無などを確認する。
【検査所見】
診断には鼻咽頭ぬぐい液による抗原定性検査が最も広く用いられている。抗原定性検査は,特異度は100%近いが,感度は60%程度である。発症直後は陰性であることが多い。12~24時間後の再検査で陽転化することがある。周囲の流行状況や典型的な臨床所見(突然の高熱,関節痛など全身症状の出現)をもって,臨床的にインフルエンザと診断することが世界的に許容されている2)。抗原定性検査が陰性の場合,遺伝子検査(網羅的PCRを含むPCR検査,LAMP法など)で確定診断を行うことが望ましい。
