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成人脊柱変形[私の治療]

登録日: 2026.11.03 最終更新日: 2026.11.03

大槻文悟 (京都大学大学院医学研究科感覚運動系外科学講座整形外科学准教授)

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腰椎椎間板の変性や骨脆弱性に伴う椎体骨折により生じる,腰椎後弯が本疾患の原因であることが多い。また,後弯だけではなく側弯を伴うことも多い。通常は骨盤が代償性に後傾し,胸椎は伸展することが多い。側弯に伴って,頭部の位置が正中から離れてくると,下肢を曲げて骨盤を傾けることで代償しようとするため,見かけ上の脚長差が出現する。

▶診断のポイント

脊柱変形に伴い,ADLが低下することで治療の対象となるため,脊柱変形のみでは治療の必要性はない。立位姿勢をとると腰が痛くなってくる,テーブルなどに手をつかないと立っていられない,というような疲労性の腰痛がある場合には,脊柱変形を疑い検査を行う。立位全脊椎2方向X線写真が基本となり,C7-SVA(sagittal vertical axis)および,C7-CSVL(central sacral vertical line)を測定する。続いて,基本的な脊柱パラメーターである,胸椎後弯角(thoracic kyphosis:TK), 腰椎前弯角(lumbar lordosis:LL),骨盤傾斜角(pelvic tilt:PT), 骨盤形態角(pelvic incidence:PI)などを計測する。

SVAは正常では4~5cm以内であり,SVAが大きければ大きいほどADLは障害されると考えられており,脊柱変形が重度,または代償作用が小さいと考えられる。代償作用は,骨盤後傾と胸椎後弯の減少が最初に生じると考えられている。骨盤後傾は股関節の伸展および膝関節と足関節の屈曲で生じるため,変形性股関節症や人工股関節置換術後で可動域が制限されている場合には,代償機能が低下していることがある。また,特に理由なく股関節の代償機能が低下している場合には,パーキンソン病などの中枢性の姿勢異常が関与していることもあり,鑑別診断として常に考慮する必要がある。


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