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便秘[私の治療]

登録日: 2026.10.28 最終更新日: 2026.10.28

舩越 拓 (名古屋市立大学病院救命救急センターセンター長)

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便秘の多くは軽症で,緩下薬を処方するだけの対応になりがちだが,患者ごとに背景は大きく異なることに留意する必要がある。適切な鑑別疾患を挙げながら薬物コントロールを行うのと並行して,消化管狭窄などの原因疾患や,糞便性腸閉塞,糞便性腸炎といった便秘に続発する緊急疾患の管理を行うことが重要である。

▶病歴聴取のポイント

患者の「排便回数が少ない」という言葉だけで便秘と判断せず,詳細を聴くことが原則である。毎日排便がないと異常だと思い込んでいる人もいるが,排便習慣には個人差がある。2~3日に1回でも,苦痛なく排便でき,腹部膨満感や残便感がなければ,その人にとっては正常範囲である。逆に,毎日排便があっても,強いいきみや硬便,残便感,強い腹部膨満感があれば,介入が必要になる。したがって,排便回数だけでなく,便の硬さ,排便困難感,いきみの程度,残便感,腹痛や腹部膨満感,生活への支障を具体的に確認することが重要である。

▶バイタルサイン・身体診察のポイント

通常,バイタルサインは安定しており,腹部診察でも明らかな圧痛や腹膜刺激症状を認めることは少ない。腹壁が薄く,高度な便秘があれば,下腹部から下行結腸までの糞便が貯留した腸管を触れることもある。逆に,ショックや強い圧痛を認める際は,便秘に続発した緊急性の高い疾患を想起する必要がある。


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