変形性膝関節症は,中高年の膝の痛みの原因として最も多い疾患であり,現在,わが国においても軟骨の菲薄化のみの初期変形性膝関節症を含めると2千万人以上いると推定される。関節軟骨の変性・消失と骨棘形成を特徴とし,半月板の変性,軟骨下骨の硬化,滑膜の炎症なども存在することが多い。年齢,性別,体重,下肢のアライメント,日常の運動負荷,運動歴,外傷歴など病因は多岐にわたり,多因子であるがゆえに単一の治療ではアプローチが難しい疾患であると考えられる。
▶診断のポイント
診断は,身体所見および画像検査にて行う。関節裂隙の圧痛と,単純X線・膝正面像における関節裂隙の狭小化を認めることで診断が可能である。仰臥位では狭小化が起こりにくいこともあり,膝正面の撮像は荷重位にて行うことで診断精度を高めることが可能である。早期変形性膝関節症では,軟骨組成の変化や軟骨摩耗がわずかであるためMRI検査を要する。
