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レジオネラ症[私の治療]

登録日: 2026.10.24 最終更新日: 2026.10.24

金城武士 (琉球大学大学院医学研究科微生物学講座教授)

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レジオネラ症はLegionella属菌による感染症であり,約9割はLegionella pneumophilaが原因である1)。Legionella属菌は自然界に広く分布しているが,20℃以上の水が停滞・循環する人工水環境(冷却塔,循環式浴槽,給湯設備など)では高率に検出され,ヒトへの感染源となる。Legionella属菌を含むエアロゾルを吸入することで感染する。ヒト-ヒト感染はきわめて稀である。レジオネラ肺炎とポンティアック熱の2つの病型があり,後者は一過性のインフルエンザ様症状で自然治癒することが多いため,臨床上問題となるのは前者である。レジオネラ肺炎の潜伏期間は2~10日で,高熱,悪寒のあとに乾性咳嗽,胸痛,呼吸困難などの呼吸器症状が出現する。急速に重症化し,発症後5日以内に有効な抗菌薬が投与されなければ致命率が高くなる。

▶診断のポイント

患者背景,臨床症状,検査所見からレジオネラ症の可能性を予測するスコアがあり,①男性,②咳嗽なし,③呼吸困難感あり,④血清CRP値≧18mg/dL,⑤血清Na値<134mmol/L,⑥血清LDH値≧260U/L,の6項目のうち,3項目以上当てはまればレジオネラ肺炎を疑う2)。また,消化器症状(下痢,嘔吐など),中枢神経症状(頭痛,意識障害など),全身症状(関節痛,筋肉痛など),低リン血症を伴うことがあり,診断の参考になる。

レジオネラ症の診断に用いる検査としては,塗抹検査(ヒメネス染色),培養検査,尿中抗原検査,核酸増幅検査,抗体検査があり,臨床現場で頻用されているのは尿中抗原検査である。尿中抗原検査には,L. pneumophila血清型1のみを検出するもの(BinaxNOW™レジオネラなど)と,すべての血清型を検出するもの(リボテストⓇレジオネラ)がある。尿中抗原検査では,発症早期や軽症例では偽陰性になること,検査キットの標的抗原を持たないLegionella属菌は検出できないことに留意する。また,初回検査が陰性でも数日おいて再検すること,さらに他の方法(喀痰の核酸増幅検査や培養検査など)で検査することが重要である。核酸増幅検査は,Legionella属菌11種を検出できるLAMP法が外注で利用できる。


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