眼瞼痙攣は,眼輪筋の不随意収縮(ジストニア)で閉瞼が生ずる疾患である。多くは両側性である。他の神経学的,眼科的異常が見つからない原因不明の本態性眼瞼痙攣,パーキンソン病,進行性核上性麻痺などの神経疾患に続発する症候性眼瞼痙攣,睡眠導入薬・向精神薬の副作用で生じる薬剤性眼瞼痙攣がある1)。瞬目過多,羞明などの多彩な愁訴,重症例では開瞼困難を呈する。わが国の有病率は10万人当たり1.6~6.5人と,局所のジストニアとしては最も頻度が高いとする報告がある1)。眼瞼痙攣に顎口腔ジストニアを伴う場合はMeige症候群と呼ばれる。
▶診断のポイント
愁訴,問診から眼瞼痙攣を疑い,眼瞼のジストニアを検出する。眼瞼痙攣では,ジストニアが明瞭でなくとも瞬目の負荷(瞬目テスト1))で誘発できる。瞬目テストは,眉毛を動かさず,歯切れのよいまばたきをゆっくりする(軽瞬),できるだけ早く軽いまばたきを10秒間してみる(速瞬),強く目を閉じ,素早く目を開ける動作を10回試してみる(強瞬),というように工夫されている1)。
診断が困難な症例も多い。ドライアイ,チック,重症筋無力症は,眼瞼痙攣に類似の愁訴をきたし,また,眼瞼痙攣に併存している場合もある。眼瞼痙攣が診断されずに,ドライアイとして長期の点眼管理を受けている例も多い。
眼瞼痙攣に特徴的なバイオマーカーや形態異常はなく,採血検査や画像検査は眼瞼痙攣の診断に有用ではない。主に他疾患の除外のために施行される。
眼瞼の不随意運動には眼瞼ミオキミア(筋波動)の頻度も高い。 眼瞼痙攣とは異なり, 片側性,一過性,可逆性で,過労,ストレスを誘因とし,休養で改善する良性疾患とされている。
