結節性紅斑は成人女性の下腿伸側に好発し,表面は紅色調を呈し圧痛や熱感を伴い,皮下結節を生じる炎症性病変である。結節性紅斑の2~3割は原因不明の特発性であり,その他の原因として,感染症(溶連菌感染症,マイコプラズマ感染症など),ベーチェット病,薬剤,炎症性腸疾患,サルコイドーシス,悪性腫瘍,妊娠などが挙げられる。おおむね1カ月以内に皮疹は消退するが,慢性化する症例や,再発を繰り返す症例も多い。
▶診断のポイント
臨床症状から本症を疑ったときは基礎疾患の有無や薬歴を聴取する。近年では新規薬剤の普及により,薬剤性の結節性紅斑が増加している1)。確定診断には皮膚生検を施行する。皮下脂肪織の小葉間隔壁に沿って炎症や線維化を生じる隔壁性脂肪織炎(septal panniculitis)が重要な所見である。
病初期では好中球浸潤が目立ち,病期が進行するとリンパ球主体となり,その後,組織球が出現する。星芒状あるいはブーメラン状の小空隙を囲んで,組織球あるいは好中球が集籏することがあり,この特徴的な構造はMiescher放射状肉芽腫(Miescher’s radial granuloma)と呼ばれる。結節性紅斑では明らかな血管炎の像は認めない。血液検査では白血球やCRPの上昇がみられるが,所見が乏しい場合もある。
感染症については溶連菌感染症による扁桃腺炎が原因となることが多く,咽頭培養などの細菌培養の施行や血清ASO値の測定を行う。感染症や基礎疾患など,疑わしい原因があれば,それらに対する検査や治療を進める。
