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先端巨大症[私の治療]

登録日: 2026.10.09 最終更新日: 2026.10.09

西岡 宏 (虎の門病院内分泌センターセンター長/間脳下垂体外科部長)

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先端巨大症の大多数は,成長ホルモン(GH)産生下垂体腫瘍(神経内分泌腫瘍)が原因である。腫瘍のほとんどは組織学的に良性だが,内分泌異常により身体の特徴的変化や様々な代謝異常による全身合併症をきたし,死亡率の上昇をもたらす疾患である。有病率は3.8~8.0人/10万人,発症率は4.9人/100万人で1),性差はなく,発症年齢は40~50歳が多いが,広く分布する。

▶診断のポイント

GHと,それに伴うインスリン様成長因子Ⅰ(IGF-Ⅰ)の分泌過剰による特異的な身体症候・内分泌所見と下垂体画像所見(GH産生腫瘍)から診断する。ガイドライン2)に,先端巨大症の診断と治療の手引きが記載されている。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

治療の第一選択は外科治療であり,術後非寛解例や手術困難例には薬物治療を行う。薬物治療抵抗例や浸潤性(難治性)腫瘍などは放射線治療の適応である。また,高率に合併する全身代謝障害に対する管理も必須である。

【外科治療】

内視鏡下の経鼻的腫瘍摘出術を施行する。手術単独での内分泌治癒率は約60~80%である。最大の治癒阻害因子は腫瘍の海綿静脈洞浸潤,ついで大型腫瘍である。全身合併症(心疾患,咽頭腫大など)が著明な場合は周術期リスク軽減を目的に,また,大型浸潤性腫瘍では腫瘍縮小を目的に,術前薬物治療を行うことがある。使用するのは主に第1世代のソマトスタチンアナログ(SSA)製剤であるが,術前使用は保険適用外である。

【薬物治療】

IGF-Ⅰ値の正常化を目標に薬物を選択する。SSA製剤,ドパミン作動薬とGH受容体拮抗薬(ペグビソマント)がある。第一選択薬であるSSA製剤は一般的には徐放性製剤が用いられ,副作用として胆石,稀にイレウスがある。また,SSA製剤には第1世代(オクトレオチド,ランレオチド)と第2世代(パシレオチド)がある。前者による内分泌寛解と腫瘍縮小は各々約40%・60%以上で得られ,後者の効果はさらに良好だが,副作用の高血糖に十分な注意が必要となる。

【放射線治療】

定位照射(ガンマナイフ,サイバーナイフ)が選択されることが多い。遅発性の下垂体機能低下症の合併に留意する。

【合併症への対応】

内分泌障害に伴う全身代謝障害(糖尿病,高血圧,脂質代謝異常症,骨代謝障害など)の管理も重要である。下垂体機能低下症を合併している場合には,適切なホルモン補充療法を行う。


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