血管性認知症(vascular dementia:VaD)は脳血管障害を起因とする認知症を指す。アルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD)についで多く,わが国の認知症の約20%を占める。また,軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)レベルも含めた疾患概念として血管性認知障害(vascular cognitive impairment:VCI)がある。いずれも血管リスク管理で予防が期待される。
▶診断のポイント
VaD診断基準の代表格としてNINDS-AIRENによるものがあり,①認知症の存在,②CT・MRIで確認される脳血管病変の存在,③認知症と脳血管病変の時間的因果関係(3カ月以内)を骨子とする。病変様式から多発梗塞型,戦略的単一梗塞型,小血管性,低灌流性,出血性,その他に分類される。
NINDS-AIREN診断基準は感度が低く,発症後診断であることから,予防医学へは適応しにくい。VaD予防の観点から, MCIレベルも含めたVCIの疾患概念が提唱され,診断ガイドラインも発表された1)。VCIは,遂行機能,注意と記憶,言語,視空間機能の中で1つ以上の障害を認めるもので,日常生活障害が軽度なmild VCI,重度なmajor VCIに分類される。major VCIは①脳卒中後認知症(post-stroke dementia:PSD=脳卒中後6カ月以内),②皮質下虚血性血管性認知症,③多発梗塞性認知症,④混合性認知症の4項目からなる。①~④に神経変性疾患が合併する場合,「ADの合併」,「レヴィー小体型認知症の合併」などと追記する。
