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丹毒,蜂窩織炎[私の治療]

登録日: 2026.10.03 最終更新日: 2026.10.03

盛山吉弘 (土浦協同病院皮膚科部長)

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丹毒,蜂窩織炎は皮膚~脂肪組織の細菌感染症である。わが国では,丹毒は炎症の主座が真皮で臨床的な発赤の境界が明瞭であるが,蜂窩織炎は丹毒より深く,脂肪組織を炎症の主座とするため,境界が不明瞭であると,慣習的に両者を区別して病名が使われてきた。前者はβ溶血性レンサ球菌(以下,溶連菌),後者は黄色ブドウ球菌が主な起因菌であるとされてきた。
しかし,その区別には主観的な判断要素が入り込むことに加え,近年ではどちらも起因菌は溶連菌が主であることが明らかとなっていることから,あえて両者を区別する必要はないと考え方が変わってきている。そこで,本稿ではまとめて蜂窩織炎の用語を使用する。
一方で,化膿巣(膿瘍)を持つ場合には,ブドウ球菌が関与することも多く,治療方針が異なる。米国のガイドラインでは,purulentとnon-purulent(化膿巣がなく局所培養が困難)を区別して治療方針を考えることが重要であると強調している。

▶診断のポイント

蜂窩織炎を診断する絶対的な単一の指標はない。炎症徴候として,発赤,腫脹,熱感,疼痛があるのが典型であるが,糖尿病患者の虚血肢などでは,これらすべてがはっきりしないこともある。また,炎症徴候があっても,それが細菌感染症(蜂窩織炎)であるとは限らない。臨床症状から疑い,考えられる他の鑑別疾患をすべて否定して診断する必要がある。common diseaseであるが,誤診が非常に多い疾患と言われている。

誤診の中で最も注意すべきは,致死的な経過をたどることがある壊死性軟部組織感染症(壊死性筋膜炎,ガス壊疽などの総称)である。最終的な診断には試験切開が必要となることも多く,疑った場合は速やかに高次医療機関への搬送を検討しなくてはならない。


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