IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-related sclerosing cholangitis:IgG4-SC)は胆管に壁肥厚をきたし,内腔の狭窄から胆汁うっ滞を呈する硬化性胆管炎のひとつであり,血清IgG4の上昇を特徴とする疾患である。全身のIgG4関連疾患の胆管病変であり,自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis:AIP)に合併することが多い。肝門部や下部胆管に狭窄が好発する。胆管癌との鑑別が難しいこともしばしば経験される。
▶診断のポイント
肝障害を契機に,腹部エコー検査やCT検査,MR胆管膵管撮影(MRCP)検査の施行で,胆管の狭窄を指摘されて診断となることが多い。AIPをはじめとするIgG4関連疾患の存在は,IgG4-SCを強く疑うポイントとなる。鑑別すべき疾患としては,胆管癌や原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis:PSC)が挙げられる。血清IgG4の上昇や距離の比較的長い胆管狭窄は,PSCよりもIgG4-SCを示唆する所見である。血清IgG4が上昇しない症例では,特に胆管癌との鑑別が問題となる。内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)による胆管狭窄部の擦過細胞診や生検を行い,がんを除外することが重要である。
▶私の治療方針・処方の組み立て方
IgG4関連疾患は自然経過で改善する可能性もあるが,IgG4-SCでは炎症の持続から線維化による胆管狭窄が固定化し,胆汁うっ滞による肝障害が不可逆となる恐れがある。そのため,原則としてIgG4-SCはステロイドによる治療の適応と考えている1)。治療開始から4週間後にCTなどで治療効果を判定している。
AIPなど,他臓器のIgG4関連疾患を合併している場合は,黄疸がなければERCPを行わずに薬物療法を導入している。黄疸がある場合には,ERCPを行い,胆管プラスチックステントを留置して胆道ドレナージを行った後に薬物療法を導入している。その際には,胆管狭窄部の病理評価も併せて行っている。他臓器病変の合併のない場合や血清IgG4の上昇がない場合には,ERCPによるがんの除外を慎重に行った上で薬物療法の導入を行っている。
