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外耳道異物[私の治療]

登録日: 2026.09.14 最終更新日: 2026.09.14

荒井康裕 (横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科講師) 相澤圭洋 (横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科)

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外耳道異物は耳鼻咽喉科救急で比較的頻繁に遭遇する疾患であり1),特に小児に多いことが特徴である。異物の種類は多岐にわたり,ビーズやBB弾などの玩具,植物片,昆虫などの有生異物,水銀電池,吸水性ビーズ,シアノアクリレート系接着剤(以下,接着剤),補聴器耳型採取用印象剤などが報告されている。外耳道入口部は10mm以上あるが,最狭部は約5mmであり2),径の近い異物は嵌頓しやすく摘出が困難となる。異物の性状,位置,嵌頓の程度に加え,鼓膜・中耳への影響や患者の協力度によって,難易度と対応方針は大きく異なる。

▶診断のポイント

症状は,耳痛,閉塞感,難聴,耳鳴,出血などであり,有生異物では強い疼痛や異物感を訴えることが多い。問診では,異物の種類,異物挿入の時期,自己処置や他院処置の有無,補聴器耳型採取歴,海外渡航歴などを確認する。顕微鏡または内視鏡下で異物の位置,嵌頓の程度,鼓膜損傷,外耳道の腫脹や出血の有無を評価する。中耳侵入が疑われる場合にはCTを施行し,外耳道・中耳との位置関係を把握する必要がある。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

外耳道異物では初回操作での成功が最も重要であり,不用意な操作による出血や腫脹,異物の深部移動を避ける。異物の材質に応じて液体使用の可否を判断する。水銀電池の場合,電解反応により組織障害が増悪するため液体使用は避け,速やかな摘出を行う3)。吸水性ビーズの場合も,水分で膨張・接着するため洗浄は行わない。有生異物では,まず動きを停止させることを優先し,4%キシロカインスプレーや植物油を使用するが,鼓膜穿孔例では内耳麻酔の危険性に注意する1)。また,患者の協力度を評価し,困難が予想される場合は,早期に鎮静や全身麻酔を検討する。数回の試みで摘出困難な場合は,無理をせず高次施設へ紹介する。


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