うっ滞性症候群は,下肢の静脈内圧の上昇により,血液が滞留することで生じる状態の総称である。静脈うっ滞の原因として,静脈弁不全による一次性下肢静脈瘤や深部静脈血栓症,その後遺症などによる二次性下肢静脈瘤があるが,多くは一次性下肢静脈瘤によるものである。症状として,皮膚炎(うっ滞性皮膚炎),脂肪織炎(硬化性脂肪織炎),色素沈着,白色萎縮,下腿潰瘍,下肢浮腫,倦怠感などが生じる。通常,膝より下の部分(特に足首周辺)に発症することが多い。皮膚炎自体はかゆみを伴うことが多く,潰瘍が生じると痛みを伴い,難治であることが多い。
▶診断のポイント
【症状】
初期には下腿の皮膚の紅斑,瘙痒,鱗屑を伴う。下腿浮腫や下肢のだるさ,こむら返りなどがみられる場合もある。浮腫や炎症が継続すれば,徐々に皮膚の色素沈着,苔癬化,皮膚の硬化をきたす。最終的には皮膚硬化が著明となり,潰瘍を形成し難治となる。
【検査所見】
診断は臨床的評価(皮膚の所見,下腿浮腫,静脈瘤の有無)によって行われる。必要に応じて以下の検査が行われる。
• 下肢ドプラ聴診器検査:静脈弁の異常や動脈狭窄の有無を確認する
• 下肢エコー検査(ドプラモード・duplex scan):静脈弁機能や深部静脈血栓の有無を確認する
• 画像診断(下肢動脈・静脈造影検査,CT・MR検査)
• 皮膚生検:脂肪織炎や潰瘍がある場合,皮膚・皮下疾患鑑別のため実施する
• 採血・創部培養検査:膠原病などとの鑑別や細菌感染の有無を判別する
