Wolff-Parkinson-White(WPW)症候群は,房室結節以外に心房と心室を直接連絡する副伝導路(Kent束)が先天的に存在し,心室早期興奮をきたす不整脈症候群である。安静時心電図ではPQ時間短縮・デルタ波・QRS幅延長を3徴とする。代表的な頻拍は房室回帰性頻拍(atrioventricular reciprocating tachycardia:AVRT)であり,動悸,胸部不快感,めまい,失神などを呈する。さらに,心房細動(atrial fibrillation:AF)を合併した場合には,副伝導路を介してきわめて速い心室応答が生じ,心室細動へ移行して突然死の原因となりうる。有病率は0.1~0.3%程度であり,健診で偶発的に発見される無症候例も少なくない1)2)。
▶診断のポイント
12誘導心電図:PQ時間短縮(120ms未満)・デルタ波・QRS幅延長の確認が基本である。
各種負荷試験:間欠性WPW症候群では安静時心電図で所見が消失することがあるため,Holter心電図や運動負荷試験が診断に有用である。
頻拍の鑑別:orthodromic AVRTはnarrow QRSを呈することが多いが,antidromic AVRTではwide QRSとなり,心室頻拍との鑑別を要する。
リスク評価:AF合併時に最短RR間隔が250ms未満の場合は高リスクとされる1)。症候性例や失神歴を有する例では電気生理学的検査(EPS)の施行を考慮する。
